[上海 10日 ロイター] - 4月末時点の外国人による中国国債保有高は再び増加し、過去最高を記録した。人民元の上昇や対米国債スプレッドの拡大が背景。3月は異例の減少を記録していた。
銀行間債券市場の証券決済機関、中国中央国債登記結算(CCDC)のデータによると、外国人の中国国債保有高は4月末時点で2兆0960億元(3261億4000万ドル)。前月比で2.5%増加した。
中国の政策銀行が発行した債券の外国人保有高は、前月比で0.6%増加し、初めて1兆元を超えた。
3月は、外国債とのスプレッド縮小と元安で中国国債の魅力が低下し、外国人の中国国債保有高が過去2年あまりで初めて減少していた。
4月は、元が週間ベースで昨年9月以来最長の上昇を対米ドルで記録。中国の10年物国債の対米国債スプレッドは4月中旬に19ベーシスポイント(bp)まで拡大した。
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、トレーシー・チェン氏は「誰もがドル安を予想しており、人民元が恩恵を受けるだろう」とし、米国の大型経済対策が引き続きドルの重しになると指摘。
「(中国国債は)利回りが高いが、新興国債券市場ほどボラティリティーは高くない」と述べた。