■衆院選結果やハト派のFOMCを好感
今週の日経平均は大幅続伸。
週間の上げ幅は718.88円(+2.49%)で、終値は29611.57円。
事前に懸念されていた衆院選において、自民党が安定的な国会運営に必要とされる絶対安定多数を獲得したことが好感され、週初から日経平均は754.39円高と急伸し、9月30日以来となる29500円を回復。
その後も、良好な企業決算を背景に連日で過去最高値を更新する米株式市場を追い風に、利益確定売りをこなしつつ堅調な動きが継続。
祝日を挟んだ後の4日には再び273.47円高と大きく上昇し、日経平均は高いところで29880.81円まで上昇。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想どおり量的緩和の縮小(テーパリング)開始が決まったが、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレは一時的」との見方や利上げへの慎重姿勢を再表明。
総じてハト派的な内容と受け止められ、これが株式市場全体の押し上げにつながった。
週末は、前日までの上昇の反動が出やすいなか、週末の10月米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり、週末イベントを前に持ち高調整の売りから反落したが、健全な調整にとどまり、29611.57円で週を終えた。
日経平均は週間形状では2週連続で陽線を引いた。
■緩和策長期化が下支えも、日本株の上値は重そう
来週の日経平均はもみ合いか。
国内企業の7-9月期決算発表が終盤戦に入る。
海外の物価関連指標など注目材料もあるが、基本的には企業決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。
株式市場全体としては引き続き堅調な展開が想定される。
今週開催された米FOMCでは上述したように、総じてハト派的な内容となった。
また、4日、利上げが有力視されていた英国では、英イングランド銀行が予想に反して政策金利を据え置いた。
声明では今後数カ月の間に政策金利の引き上げが必要になるとの認識を示したが、足元のインフレよりも早期利上げによる景気回復の腰折れを懸念している様子。
一方、米10年国債利回り及び期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は共に10月下旬の高値をピークに上昇が一服。
差し当たっては緩和策の長期化が過度なインフレを招くとの恐れにはつながっていないようだ。
インフレを巡る思惑が適度にコントロールされながら緩和策長期化への期待が高まることは、相場のサポート要因となりそうだ。
10月の米雇用統計も景気回復を裏付けつつ、早期利上げの根拠としては力不足といったマイルドな結果となっており、相場の支援要因となろう。
他方、来週は米国や中国で消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)など、物価関連の指標が多く発表される。
各国の金融政策関係者はすでに、供給ひっ迫に起因するインフレは来年以降まで続く見通しとの見解を示しているため、仮に結果が市場予想を上回ったとしても、見方を大きく変える必要はない。
しかし、米国で主要株価指数が揃って過去最高値圏にあること、将来の株価変動率を表し、「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が警戒水準の20を大きく下回っていることを踏まえると、市場は弛緩的なムードに浸っていると窺える。
楽観に傾いている時こそ注意を払っておいた方がよいだろう。
他方、日本株に目を向けてみると、過去最高値を更新し続ける米国株と比べて上値の重い印象がくすぶる。
市場予想を大幅に上回る好調な決算が相次ぐ米国に比べ、日本では市場予想を上回る決算が相対的に少なく、上振れ度合いも小さい。
今週は、トヨタ自動車 (T:7203)が業績予想を上方修正しながらも、「円安効果を除けば資材高騰などで実質下方修正」とコメントしたことが象徴的だった。
バリュエーション面では割安とはいえ、積極的に日本株を選好しにくい状況と言えるだろう。
また、衆院選では、自民党が事前の予想を覆すほどの議席数を獲得し、ポジティブサプライズとなったが、そもそも岸田政権が掲げる政策は相場の支援要因にはなりにくいものが多い。
大型経済対策への期待も高まっているようだが、今のところ現金給付策くらいしか具体的になっていない。
政策がもっと明確に示されない限りは、海外投資家が日本株を積極的に買うことは期待しにくいだろう。
■ソフトバンクGや東エレクの決算に注目
週初からソフトバンクグループ (T:9984)など注目企業の決算が控える。
指数寄与度が大きいだけに株価反応に注目。
また、株価に反映されるのは翌週となるが、週末には東京エレクトロン (T:8035)の決算がある。
業績好調は間違いないが、業績予想の上方修正幅などに注目。
これまでのところ、半導体周りの企業決算は群を抜いて良好で、SCREENHD (T:7735)、東京エレクトロンは今週に上場来高値を更新。
こちらも指数インパクトが大きいだけに、株価反応は重要。
良好な結果となれば、年末までの相場のけん引役は再びハイテク株となることが期待される。
■米10月CPI、10月工作機械受注、10月景気ウォッチャーなど
来週は8日に9月景気動向指数、中国共産党中央委員会第6回全体会議(6中全会)(~11月11日)、9日に10月景気ウォッチャー調査、米10月PPI、10日に10月工作機械受注、中国10月CPI、中国10月PPI、米10月CPI、11日に10月企業物価指数、12日にオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出などが予定されている。
今週の日経平均は大幅続伸。
週間の上げ幅は718.88円(+2.49%)で、終値は29611.57円。
事前に懸念されていた衆院選において、自民党が安定的な国会運営に必要とされる絶対安定多数を獲得したことが好感され、週初から日経平均は754.39円高と急伸し、9月30日以来となる29500円を回復。
その後も、良好な企業決算を背景に連日で過去最高値を更新する米株式市場を追い風に、利益確定売りをこなしつつ堅調な動きが継続。
祝日を挟んだ後の4日には再び273.47円高と大きく上昇し、日経平均は高いところで29880.81円まで上昇。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想どおり量的緩和の縮小(テーパリング)開始が決まったが、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレは一時的」との見方や利上げへの慎重姿勢を再表明。
総じてハト派的な内容と受け止められ、これが株式市場全体の押し上げにつながった。
週末は、前日までの上昇の反動が出やすいなか、週末の10月米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり、週末イベントを前に持ち高調整の売りから反落したが、健全な調整にとどまり、29611.57円で週を終えた。
日経平均は週間形状では2週連続で陽線を引いた。
■緩和策長期化が下支えも、日本株の上値は重そう
来週の日経平均はもみ合いか。
国内企業の7-9月期決算発表が終盤戦に入る。
海外の物価関連指標など注目材料もあるが、基本的には企業決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。
株式市場全体としては引き続き堅調な展開が想定される。
今週開催された米FOMCでは上述したように、総じてハト派的な内容となった。
また、4日、利上げが有力視されていた英国では、英イングランド銀行が予想に反して政策金利を据え置いた。
声明では今後数カ月の間に政策金利の引き上げが必要になるとの認識を示したが、足元のインフレよりも早期利上げによる景気回復の腰折れを懸念している様子。
一方、米10年国債利回り及び期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は共に10月下旬の高値をピークに上昇が一服。
差し当たっては緩和策の長期化が過度なインフレを招くとの恐れにはつながっていないようだ。
インフレを巡る思惑が適度にコントロールされながら緩和策長期化への期待が高まることは、相場のサポート要因となりそうだ。
10月の米雇用統計も景気回復を裏付けつつ、早期利上げの根拠としては力不足といったマイルドな結果となっており、相場の支援要因となろう。
他方、来週は米国や中国で消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)など、物価関連の指標が多く発表される。
各国の金融政策関係者はすでに、供給ひっ迫に起因するインフレは来年以降まで続く見通しとの見解を示しているため、仮に結果が市場予想を上回ったとしても、見方を大きく変える必要はない。
しかし、米国で主要株価指数が揃って過去最高値圏にあること、将来の株価変動率を表し、「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が警戒水準の20を大きく下回っていることを踏まえると、市場は弛緩的なムードに浸っていると窺える。
楽観に傾いている時こそ注意を払っておいた方がよいだろう。
他方、日本株に目を向けてみると、過去最高値を更新し続ける米国株と比べて上値の重い印象がくすぶる。
市場予想を大幅に上回る好調な決算が相次ぐ米国に比べ、日本では市場予想を上回る決算が相対的に少なく、上振れ度合いも小さい。
今週は、トヨタ自動車 (T:7203)が業績予想を上方修正しながらも、「円安効果を除けば資材高騰などで実質下方修正」とコメントしたことが象徴的だった。
バリュエーション面では割安とはいえ、積極的に日本株を選好しにくい状況と言えるだろう。
また、衆院選では、自民党が事前の予想を覆すほどの議席数を獲得し、ポジティブサプライズとなったが、そもそも岸田政権が掲げる政策は相場の支援要因にはなりにくいものが多い。
大型経済対策への期待も高まっているようだが、今のところ現金給付策くらいしか具体的になっていない。
政策がもっと明確に示されない限りは、海外投資家が日本株を積極的に買うことは期待しにくいだろう。
■ソフトバンクGや東エレクの決算に注目
週初からソフトバンクグループ (T:9984)など注目企業の決算が控える。
指数寄与度が大きいだけに株価反応に注目。
また、株価に反映されるのは翌週となるが、週末には東京エレクトロン (T:8035)の決算がある。
業績好調は間違いないが、業績予想の上方修正幅などに注目。
これまでのところ、半導体周りの企業決算は群を抜いて良好で、SCREENHD (T:7735)、東京エレクトロンは今週に上場来高値を更新。
こちらも指数インパクトが大きいだけに、株価反応は重要。
良好な結果となれば、年末までの相場のけん引役は再びハイテク株となることが期待される。
■米10月CPI、10月工作機械受注、10月景気ウォッチャーなど
来週は8日に9月景気動向指数、中国共産党中央委員会第6回全体会議(6中全会)(~11月11日)、9日に10月景気ウォッチャー調査、米10月PPI、10日に10月工作機械受注、中国10月CPI、中国10月PPI、米10月CPI、11日に10月企業物価指数、12日にオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出などが予定されている。