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後場に注目すべき3つのポイント~3万円突破には材料不足か

発行済 2021-11-08 12:21
更新済 2021-11-08 12:30
© Reuters.
8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


・日経平均は小幅続落、3万円突破には材料不足か
・ドル・円は底堅い、米金利にらみ
・値下がり寄与トップはファーストリテイリング (T:9983)、同2位が中外製薬 (T:4519)

■日経平均は小幅続落、3万円突破には材料不足か

日経平均は小幅続落。
21.00円安の29590.57円(出来高概算6億5068万株)で前場の取引を終えている。


前週末5日の米株式市場でのNYダウは203.72ドル高(+0.56%)と反発。
10月米雇用統計は雇用者数の伸びが前月比53万人増と、予想(45万人増)を上回る結果となり、労働市場の回復を好感。
また、製薬会社のファイザーが開発中の新型コロナウイルス感染症治療の飲み薬について重症化リスクを大きく軽減することを明らかにしたことに加え、専門家が来年の1月までにパンデミックが終了する可能性に言及すると回復期待感が一段と強まり、買いが加速。
一方、米10年国債利回りが1.4%台へと低下するなか、ハイテク株も買われた。
結局、S&P500指数、ナスダック総合指数と揃って史上最高値を更新した。


米株高が追い風となるなか、前日には米下院が1兆ドル規模のインフラ法案を可決し、バイデン大統領が近く署名すると伝わったこともあり、日経平均は123.88円高の29735.45円でスタート。
ただ、始値をこの日の高値にすぐに失速すると、間もなくしてマイナスに転じた。
そのまま下げ幅を拡げ、一時は29518.20円まで下落。
節目の29500円近辺では押し目買いも入り、下げ渋ったが、戻り待ちの売りも根強く、マイナス圏での推移が続いた。


個別では、業績予想の下方修正がネガティブサプライズとなったミクシィ (T:2121)が急落、業績予想を上方修正したものの、修正幅が物足りないとの評価につながったJFEHD (T:5411)と共に東証1部の下落率上位に顔を出している。
そのほか、決算や業績予想の下方修正を材料に、ボルテージ (T:3639)、JMS (T:7702)、JBR (T:2453)、タムラ製作所 (T:6768)、ソリトンシステムズ (T:3040)などが大幅に下落し、値下がり率上位に並んでいる。
時価総額が大きめのところでは、ダイフク (T:6383)、クボタ (T:6326)、GSユアサ (T:6674)なども決算を材料に大幅安となっている。
なお、子会社の不適切会計の疑いを背景に決算発表を延期したアウトソーシング (T:2427)は値下がり率トップに。
主力株では、任天堂 (T:7974)、ソニーG (T:6758)、ファーストリテ (T:9983)、キーエンス (T:6861)、三菱商事 (T:8058)、エムスリー (T:2413)などが軟調推移。


一方、好決算や業績予想の上方修正を手掛かりにメイコー (T:6787)が急伸し1部上昇率トップに躍り出たほか、山一電機 (T:6941)、プレス工業 (T:7246)、日本CMK (T:6958)、ホシデン (T:6804)などが上昇率上位に並んでいる。
ラウンドワン (T:4680)は業績予想の上方修正を受けて急伸。
オープンドア (T:3926)も7-9月期営業損益が赤字ながら、アフターコロナ関連株高の波に乗り、急伸。


時価総額の大きいところでは、オリンパス (T:7733)が業績上方修正を、IHI (T:7013)は業績観測報道を材料に大幅高に。
子会社の上場発表が引き続き手掛かりとなったマネックスG (T:8698)は本日もストップ高まで買われている。
主力株では、日本郵船 (T:9101)などの大手海運株のほか、JAL (T:9201)、JR東海 (T:9022)、エアトリ (T:6191)、エイチ・アイ・エス (T:9603)などアフターコロナ関連株が軒並み高に。
ほか、東エレク (T:8035)、日立製 (T:6501)、INPEX (T:1605)、伊藤忠 (T:8001)なども買われている。


セクターでは鉄鋼、水産・農林業、医薬品などが下落率上位となっている一方、空運業、海運業、鉱業などが上昇率上位となっている。
東証1部の値下がり銘柄は全体の49%、対して値上がり銘柄は44%となっている。


本日の日経平均は寄り付きから急失速すると軟調な値動きが続いた。
半導体不足や供給網の混乱の影響が大きい輸送用機器セクターの比率が高いこともあり、これまでの日本企業の7-9月期決算は米国企業と比べて見劣りしている。
資源価格の高騰や円安による輸入物価高もあり、日本企業を取り巻く環境は相対的に厳しい。


衆院選は、自民党が想定以上に健闘した結果となり、政権運営化に期待する声もあるようだが、そもそも岸田政権が掲げる政策への海外投資家からの事前評判は高くなかった。
経済対策の内容も今のところ景気浮揚につながりそうなものは現金給付策くらいしか見えてきていない。
また、中長期の目線でみても、株式市場が好感するような政策はそもそもほとんど見られない。
世界的に日本株のバリュエーションが割安とはいえ、企業を取り巻く環境が相対的に厳しく、政策評価も大きく変わっていなければ、日本株を積極的に選好する理由は乏しいだろう。
日経平均の3万円突破には材料不足の状況といえそうだ。


また、本日は指数寄与度の大きいソフトバンクG (T:9984)の決算が控えている。
当局による規制強化をきっかとした中国株の下落などを背景に、7-9月期のビジョンファンド事業は赤字となった可能性も指摘されているだけに、結果と株価反応を見極めたいとの思惑も強いだろう。
すでに年初来安値圏にある同社株だが、一段安となると、信用買い残も積み上がっているだけに個人投資家心理が悪化しそうだ。


米株市場も総じて堅調とはいえ、主要株価3指数が揃って過去最高値圏にあるなか、前週末にはNYダウ、S&P500指数、ナスダック、いずれも長めの上ヒゲを形成している。
米連邦準備制度理事会(FOMC)というイベントリスクがなくなり、季節性要因の調整圧力も後退、インフラ法案も署名される見通しとあって、米国株を巡る環境はすこぶる良好だが、騰勢一服も意識されるタイミングだ。
ソフトバンクGの決算に加え、今晩の週明けの米株市場の動向を見極めたいとの思惑もあり、後場の日経平均もさえない展開が続きそうだ。


■ドル・円は底堅い、米金利にらみ

8日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、113円60銭台を維持している。
米10年債利回りは戻りが鈍いが、先安観の後退でややドル買いに振れた。
一方、日経平均株価は前週末比終値付近に戻し、日本株安を嫌気した円買いを弱めた。
ただ、ドルの上昇ペースは緩慢のようだ。


ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円36銭から113円64銭、ユーロ・円は131円03銭から131円38銭、ユーロ・ドルは1.1557ドルから1.1570ドル。


■後場のチェック銘柄

・シーズメン (T:3083)、夢展望 (T:3185)など、9銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテイリング (T:9983)、同2位が中外製薬 (T:4519)

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・カナダ・10月失業率:6.7%(予想:6.8%、9月:6.9%)
カナダ・10月雇用者数増減:+3.12万人(予想:+4.16万人、9月:+15.71万人)
・米・10月失業率:4.6%(予想:4.7%、9月:4.8%)
・米・10月非農業部門雇用者数:前月比+53.1万人(予想:+45.0万人、9月:+31.2万人←+19.4万人)
・米・10月民間部門雇用者数:+60.4万人(予想+42万人、9月+36.5万人←+31.7万人)
・米・10月平均時給:前年比+4.9%(予想:+4.9%、9月:+4.6%)
・米・9月消費者信用残高:+299.13億ドル(予想:+160.00億ドル、8月:+137.59億ドル←+143.79億ドル)

【要人発言】

・日銀金融政策決定会合・主な意見(10月27-28日)
「足元の円安は各国の物価上昇率や金融政策姿勢の違いを反映」
「実体経済や金融市場を通じた様々な波及経路を考慮する必要」
「現在の金融緩和を粘り強く続けることで経済を下支えしていく必要」


・15:45 スイス・10月失業率(予想:2.6%、9月:2.6%)

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