[東京 13日 ロイター] - 内閣府が13日に発表した2月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は前月比9.8%減の8114億円となった。2カ月連続の減少。「情報サービス業」など非製造業が落ち込み、減少幅は2020年4月(10.6%減)以来の大きさとなった。内閣府は機械受注の基調判断を6カ月ぶりに下方修正、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」とした。
判断の修正は、単月で比較的大きな落ち込みになったことや、基調をみる上で参考にしている3カ月移動平均がマイナスになったことなどを考慮した。前回1月は「持ち直している」だった。
ロイターの事前調査では前月比1.5%減と予想されていた。
民需の受注は、前年比では4.3%増。外需は前月比2.8%減で、2カ月ぶりに減少した。
製造業は前月比1.8%減で2カ月連続のマイナスだった。17業種中、「化学工業」、「はん用・生産用機械」など10業種が減少した。
製造業はマイナスとなったものの「比較的高い水準を維持しており、堅調な動きが続いている」(内閣府の担当者)という。総合電機メーカーなどで半導体生産のための装置や関連機械を購入する動きが強い。
非製造業(除く船舶・電力)は同14.4%減と、こちらも2カ月連続マイナス。11業種中、「情報サービス業」や「金融業・保険業」、「運輸業・郵便業」など8業種が減少した。
情報サービス業は36.9%減と、06年1月(55.3%減)以来の大きな落ち込み。企業のシステム構築を行う事業者やデータセンターなどで電子計算機を購入する動き少なく、反動減となった。
今回の数字は、ウクライナ情勢などのリスク要因は反映されていないとみられる。内閣府は3月以降について、原材料価格の上昇、金融資本市場の変化、供給面の制約、新型コロナウイルスの感染状況などが「景気の下振れリスクになる可能性には注視しなければならない」としている。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「ウクライナ情勢の影響が3月分以降でフルに織り込まれる中、当面の設備投資は製造業と非製造業、さらにそれぞれの内訳である業種ごとに、ばらつきが出やすい」との見方を示した。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/menu_juchu.html
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(杉山健太郎 編集:田中志保)