[シンガポール/ロンドン 26日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが26日発表した第1・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比27%減の42億ドルとなった。同行は収入減や香港の成長鈍化に見舞われている。
HSBCがまとめたアナリスト16人の予想平均37億2000万ドルは上回った。
予想信用損失(ECL)が6億ドルに達した。「主にロシア・ウクライナ戦争とインフレ圧力が今後の経済見通しに及ぼす直接的かつ広範な経済的影響を反映したもの」としている。
同行の税引き前利益の約3分の2はアジア部門が上げている。
ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は「ウェルス収入への市場の影響や、ECLがより正常な水準になったことを背景に、利益は昨年第1・四半期と比べると減少したが、全てのビジネスおよび地域で融資が拡大し、パーソナルバンキングや保険、貿易金融で良好な成長が見られた。先行きにとって良い兆候と言える」と語った。
一方、今年は一段の自社株買いを実施する可能性は低いとした。金利収入の減少に対するヘッジとして保有する投資の一部で、価値の変動が激しいためと説明した。