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新興市場見通し:マザーズ指数5週連続の下落、厳しい局面続く

発行済 2022-05-07 15:36
更新済 2022-05-07 15:45
© Reuters.

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ゴールデンウィークの連休前後の新興市場では、日経平均が27000円近辺で踏みとどまる一方、マザーズ指数は下落基調が続いた。
週間では5週連続の下落となっており、日次でも5月6日まで4営業日続落した。
米国では3〜4日の連邦公開市場委員会(FOMC)と前後してやや反動も見られたとはいえ、根強いインフレ観測とともに金利高・ハイテク株安の流れが続き、日本でもグロース(成長株)色の強い新興株にとっては依然として厳しい環境だった。
小型の材料株やIPO銘柄などが物色されたが、主力IT株は全般軟調となった。
なお、4月25日から5月6日までの騰落率は、日経平均が-0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-4.1%、東証グロース市場指数は-4.0%だった。


個別では、東証グロース市場の時価総額上位銘柄であるメルカリ (TYO:4385)が同期間で3.6%安、ビジョナル (TYO:4194)が同7.8%安、フリー (TYO:4478)が同10.3%安。
決算発表のメルカリは流通総額(GMV)の伸び鈍化などがネガティブ視された。
売買代金上位でもBASE (TYO:4477)やFRONTEO (TYO:2158)といったIT株が軟調で、ここまで比較的堅調だった2月上場のエッジテクノロジー (TYO:4268)は連休を前に売りがかさんだ。
また、有価証券報告書の提出遅延で監理銘柄(確認中)に指定されたアジャイルメディア・ネットワーク (TYO:6573)、直近上場のサークレイス (TYO:5029)やセカンドサイトアナリティカ (TYO:5028)がこの期間の東証グロース市場の下落率上位に顔を出した。
一方、時価総額上位ではJTOWER (TYO:4485)が同2.0%高と堅調。
スマートフォン向けアプリの配信開始が材料視されたAppBank (TYO:6177)はこの期間の東証グロース市場の上昇率トップとなり、好決算のアズーム (TYO:3496)も大きく買われた。
IPOでは、連休前に4社が東証グロースへ新規上場。
ライブ配信サービス「ツイキャス」のモイ (TYO:5031)が公開価格比+91.9%という初値を付けるなど、全般に堅調な出足だった。


来週の新興市場では、軟調な展開が続くとともに、不安定化する場面も出てくる可能性がある。
今週末の米国市場では長期金利の上昇が続き、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は連日で年初来安値を更新。
また、米国では5月11日に4月消費者物価指数(CPI)、翌12日に4月卸売物価指数(PPI)の発表が控えており、インフレ観測から米ハイテク株が乱高下すれば日本の新興株にも波及しそうだ。
今週末6日の東証グロース市場の売買代金が1000億円あまりと低調だったのも気掛かり。
連休明けの一時的なものかもしれないが、円安の恩恵が大きい主力大型株に投資資金が向かい、新興株が敬遠されている印象を受ける。


来週は、5月9日にAppier Group (TYO:4180)、11日にMTG (TYO:7806)、12日にGMOフィナンシャルゲート (TYO:4051)、JTOWER、13日にプラスアルファ・コンサルティング (TYO:4071)、フリー、メドレー (TYO:4480)、そーせいグループ (TYO:4565)、弁護士ドットコム (TYO:6027)、ウェルスナビ (TYO:7342)などが決算発表を予定している。
メルカリなど緒戦の評価はさえなかったが、デジタル化の追い風で好決算が出てくることに期待したい。


IPO関連では、次の新規上場予定は5月31日のトリプルアイズとなっている。
同社は12日に仮条件を決定し、13日からブックビルディング期間に入る。
また、新たにANYCOLOR(6月8日、東証グロース)の上場も発表されている。



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