(決算速報)
カナモト<9678>(東証プライム)は6月3日の取引時間終了後に22年10月期第2四半期累計連結業績を発表した。公共投資が堅調に推移したが、先行投資で販管費が増加したため減益だった。通期の増益予想は据え置いている。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、通期ベースでは収益拡大基調だろう。なお子会社のNEKがセントラルから建設機械等レンタル事業を譲り受けると発表している。株価は5月の年初来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。底打ちして出直りを期待したい。
■22年10月期2Q累計減益だが通期増益予想据え置き
22年10月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前年同期比増減率は非記載、利益への影響なし)は、売上高が937億15百万円、営業利益が11.9%減の70億98百万円、経常利益が13.5%減の74億57百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.2%減の45億40百万円だった。
公共投資が堅調に推移したが、将来を見据えた人材投資など積極的な先行投資で販管費が増加したため減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ17億04百万円減少しているが、利益への影響はなかった。
建設関連は売上高が854億17百万円で営業利益が13.6%減の62億93百万円だった。売上面は建設需要の地域間格差が一部で顕在化していることもあり、建設機械のレンタル需要が本格的な回復に至らない状況だったが、国土強靭化対策をはじめとする公共投資が概ね堅調に推移した。中古建機販売はレンタル用資産の運用期間延長を進めているため5.8%減収だった。その他事業は売上高が82億97百万円で営業利益が2.8%増の5億59百万円だった。鉄鋼関連、情報関連、福祉関連とも堅調だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が467億30百万円で営業利益が33億11百万円、第2四半期は売上高が469億85百万円で営業利益が37億87百万円だった。
通期連結業績予想は据え置いて、売上高が1911億円、営業利益が21年10月期比6.7%増の156億円、経常利益が2.7%増の158億円、親会社株主帰属当期純利益が8.9%増の97億円としている。配当予想は5円増配の75円(第2四半期末35円、期末40円)としている。
公共投資を中心に需要が堅調に推移して増収増益・増配予想としている。中期経営計画の目標達成に向けて、国内営業基盤の拡充、海外展開、内部オペレーションの最適化を推進する。さらに社会資本の維持補修分野や再生可能エネルギー分野への対応も強化する方針だ。第2四半期累計は先行投資で減益だったが、災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、通期ベースでは収益拡大基調だろう。
■株価は反発の動き
株価は5月の年初来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。底打ちして出直りを期待したい。6月3日の終値は1961円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS259円65銭で算出)は約8倍、時価総額は約760億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)