(決算速報)
ファーストコーポレーション<1430>(東証プライム)は、7月8日の取引時間中に22年5月期業績(非連結)を発表した。大幅増収増益で着地し、配当を上方修正した。完成工事が順調に進捗した。23年5月期は増益・増配予想としている。前期の不動産売上の反動で減収だが、完成工事が順調に進捗し、大型造注案件の本体工事着工等に伴う売上総利益率向上も寄与する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は決算発表に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡し、好業績を再評価して出直りを期待したい。
■22年5月期大幅増収増益、23年5月期増益・増配予想
22年5月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし、5月13日付で上方修正)は、売上高が21年5月期比44.3%増の301億78百万円、営業利益が15.2%増の19億19百万円、経常利益が17.6%増の18億91百万円、当期純利益が12.8%増の12億69百万円だった。
完成工事が順調に進捗した。売上高の内訳は、完成工事高が7.7%増の161億08百万円、不動産売上高が2.4倍の137億49百万円、その他が0.3%減の3億20百万円だった。売上総利益の内訳は、完成工事総利益が36.7%増の17億19百万円、不動産売上総利益が9.0%減の14億55百万円、その他の売上総利益が2百万円の赤字(21年5月期は72百万円の黒字)だった。
四半期別の業績推移を見ると、第1四半期は売上高が100億68百万円で営業利益が6億21百万円、第2四半期は売上高が44億92百万円で営業利益が1億85百万円、第3四半期は売上高が73億52百万円で営業利益が3億78百万円、第4四半期は売上高が82億66百万円で営業利益が7億35百万円だった。第1四半期に不動産売上67億93百万円を計上している。
なお配当(5月13日付で期末1円上方修正、7月8日付で期末1円上方修正)は32円(期末一括)とした。21年5月期比では6円減配の形だが、21年5月期の38円(期末一括)には創業10周年記念配当10円が含まれているため、普通配当ベースでは4円増配となる。
23年5月期の業績(非連結)予想については、売上高が22年5月期比7.2%減の280億円、売上総利益が6.7%増の33億84百万円、営業利益が6.5%増の20億44百万円、経常利益が5.8%増の20億円、当期純利益が8.0%増の13億70百万円としている。配当予想は3円増配の35円(期末一括)としている。
売上高の内訳は完成工事高が10.0%増の177億19百万円、不動産売上高が29.4%減の97億03百万円、その他が79.9%増の5億76百万円、売上総利益の内訳は完成工事総利益が16.7%増の20億06百万円、不動産売上総利益が14.2%減の12億48百万円、その他の売上総利益が1億29百万円(22年5月期は2百万円の赤字)の計画としている。
売上面は前期の不動産売上の反動で減収だが、利益面は完成工事が順調に進捗し、大型造注案件の本体工事着工等に伴う売上総利益率向上も寄与して増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は目先的な売り一巡
株価は決算発表に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡し、好業績を再評価して出直りを期待したい。低PERや高配当利回りも見直し材料だろう。7月8日の終値は721円、今期予想PER(会社予想のEPS115円66銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS585円00銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約96億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)