[東京 2日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の130円後半。ペロシ米下院議長が台湾を訪問する予定が判明し、米中対立再燃への警戒感から、ドル安と円高が同時に進行。ドルは一時130.40円まで下落し、6月3日以来2カ月ぶり安値を更新した。
ドルは朝方の131円後半から、一段のドル売りを発動するストップロスを巻き込みつつ、断続的に下落した。アジア市場で米10年債利回りが一時2.51%台と4カ月ぶり水準へ低下したことで、売りが加速したという。ユーロも一時1.0294ドルと7月5日以来、1カ月ぶり高値をつけた。
一方、中国株が2%を超える下げとなるなど、アジア株が軒並み安となったことで、円は全面的に上昇した。オーストラリアドルは朝方の92円半ばから91円前半へ、南アフリカランドも7.99円台から7.88円台へ売られた。対米ドルでは上昇したユーロも、対円では135円前半から134円前半へ下落した。
オーストラリアではこの日、準備銀行(中央銀行)が政策金利を0.5%引き上げて1.85%とすることを決定した。利上げ幅は市場予想通りだったが、中銀が成長見通しを大きく引き下げたことで「来年には利下げに転換する可能性を示した」(外銀)といい、豪ドルが売られた面も指摘する声もあった。
台湾紙「自由時報」によると、ペロシ氏らは現地時間2日午後10時20分(日本時間午後11時20分)に現地入りする。関係筋によると、蔡英文総統らとの会談は3日に行われる予定。
みずほ証券のチーフ為替ストラテジスト、山本雅文氏は「米国がペロシ氏の訪台により、何を得るのかが不明だ。対中関税引き下げの可能性も低下することになり、目先はドル/円の調整が続くリスクが高まった」としている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 130.64/66 1.0266/70 134.12/16
午前9時現在 131.39/41 1.0260/64 134.84/88
NY午後5時 131.61/64 1.0261/65 135.05/09