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新興市場見通し:ジャクソンホール会議を前に調整入りやすいか

発行済 2022-08-20 14:37
更新済 2022-08-20 14:45
© Reuters.
■個人投資家心理上向き大幅反発

今週の新興市場は大幅反発。
米長期金利の低下を背景としたナスダック総合指数の上昇を支援要因に日経平均が7カ月ぶりとなる29000円台乗せに成功するなか、個人投資家心理が強気に傾き、新興市場でも買いが活発化した。
週後半は短期的な過熱感から失速したが、週前半の貯金が大きく、週間で大きく上昇した。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.34%であったのに対して、マザーズ指数は+3.03%、東証グロース市場指数は+3.04%だった。


個別では、週間でAppier Group (TYO:4180)が+27.8%と急伸し、メドレー (TYO:4480)が+14.3%、弁護士ドットコム (TYO:6027)が+10.3%、BuySell (TYO:7685)が+17.9%、M&A総合研究所 (TYO:9552)が+13.9%、CCT (TYO:4371)が+25.0%と大幅に上昇。
一方、フリー (TYO:4478)が-15.9%、ウェルスナビ (TYO:7342)が-8.74%と大きく下落。
多くは、前の週末に発表された決算内容が明暗を分ける形となった。
なお、Appier Groupは週末に東証プライム市場への市場区分変更申請を行っている。
週間上昇率ランキングではシェアテク (TYO:3989)、トレンダーズ (TYO:6069)と並んで、直近IPO(新規株式公開)のイーディーピー (TYO:7794)がランクイン。
やはり、どれも好決算を手掛かりに週を通じて人気化し、買いが続いた。


■市場とFRBの乖離埋めるタカ派発言に警戒

来週の新興市場は弱含みか。
最大の注目イベントは25日からカンザスシティー連銀が主催する経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」(~27日)。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による講演を受けた米株式市場の動きを、東京市場が織り込むのは翌週となるため、全体的には週末まで様子見ムードが強くなりそうだ。


本シンポジウムは中長期な金融政策の動向を話し合う場だ。
ただ、足元で株式市場は来年の利下げを織り込むなど、FRBの意志に反して楽観的になっているため、この場で市場とFRBの乖離を埋めるためにタカ派発言が出る可能性もある。
そもそも、ここ1カ月程の間、株式市場は大きく上昇してきた分、来週はイベント前に再び調整が入ってもおかしくない。


これまで金利の低位安定を背景に強い動きが続いてきたナスダック総合指数も、今週は徐々に騰勢を弱め、週末のSQ(特別清算指数)算出日には2%安と大幅に下落した。
リッチモンド連銀のバーキン総裁が、「FRBはインフレを目標値に戻すために何でもする」と断固とした姿勢を表明したことで、米10年債利回りが3%を窺う水準まで急伸してきていることが警戒材料だ。


一方、日経平均など指数をけん引してきた大型株や値がさ株の騰勢一服が想定されるなか、値動きの軽い新興株の一角に短期物色が向かう可能性もある。
しかし、新興株でも目先の天井を付けたと思われるようなチャート形状の銘柄が散見される。
そのため、大勢は慎重なスタンスが求められる週となろう。


個別では、全体的に手掛けにくい展開が想定されるものの、やはり短期物色がしやすい直近IPO銘柄などに物色が集中しそうか。
足元で好決算を発表しているイーディーピーやM&A総合研究所などが引き続き人気化しそうだ。
好決算を発表し、さらに週末には東証プライム市場への市場区分変更申請を行ったAppier Groupなども見直し余地がまだありそうだ。
ほか、諸外国に比べて水際対策の緩和が遅れている分、テーマ性として再注目されやすいリオープン(経済再開)関連などの動向も注視しておきたい。


なお、今週は新たにFPパートナーの新規上場が承認されている。
同社は個人や法人向けに保険代理業などを行う企業だ。



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