[ジュネーブ 9日 ロイター] - 中国の陳旭・駐ジュネーブ国際機関代表部大使は9日、新疆ウイグル自治区に関する報告書を公表した国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に今後協力しない考えを示した。
OHCHRは8月31日に公表した報告書で、中国政府が同自治区で深刻な人権侵害を行っているとし、少数民族ウイグル族などに対する恣意的で差別的な身柄拘束は人道に対する犯罪に相当する可能性があると指摘した。
陳氏は記者団に対し、報告書は「違法かつ無効だ」と主張し、内容を公表することで「OHCHRは協力の扉を閉ざした」と批判した。
報告書は、収容施設などで拘束されている全ての人の解放に向けた措置を速やかに取るよう勧告。また、バチェレ前人権高等弁務官が新疆訪問時に中国側と合意した今後の会合や現地再訪問など、双方の継続的な関与も想定している。
陳氏は「報告書公表を受けて一連の案が棚上げされた」とし、「われわれを傷つけながら協力を享受することはできない」と述べた。
報告書は11日からの週に開かれる国連人権理事会の会合で議論される見通し。陳氏は、同会合で中国に対するいかなる措置にも「断固反対する」と述べた。