[27日 ロイター] - 世界反ドーピング機関(WADA)のビトルト・バンカ会長は27日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)のドーピング問題を巡る対応でロシア反ドーピング機関(RUSADA)に懸念を示し、問題が「速やかに」解決されなければスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する考えを表明した。
ワリエワは2月開催の北京五輪で、昨年12月25日にロシア選手権で採取された検体から禁止薬物のトリメタジジンの陽性反応が出たことで大きな騒動となった。当時15歳だったワリエワは金メダル最有力候補とみられていたが、一転して騒乱の渦中の人となったことで演技が大きく乱れ、シングルで4位に終わった。
RUSADAはワリエワのドーピング問題の調査を行っていたが、21日に「選手の利益を守るため」とし、調査結果や処分などを機密事項として非公表とする姿勢を見せた。
こうした状況を受け、バンカ会長は「WADAはワリエワ問題への対応が遅れていることを懸念している。速やかに解決されなければ、CASに直接提訴する権利を行使することをRUSADAに正式に通告した」とツイッターに投稿した。