[上海 10日 ロイター] - 中国の政府系経済3紙は9日、投資家は為替リスクを避け、人民元相場の変動拡大に適応すべきとする論評記事をそろって1面に掲載した。
人民元はここ1週間以上にわたり大きく上昇しているが、記事では元相場が今年、上下双方向に変動しやすくなると警鐘を鳴らした。
3紙が同じ日にほぼ同じ内容を1面に掲載したことから、政府が指示したのはほぼ確実とみられる。
人民元は今年に入って対ドルで2.2%上昇し、昨年の下落分の大部分を取り戻している。
証券時報は「下落圧力が弱まったとしても、2023年は依然として元相場の双方向の変動が常態となるだろう」とし、「経常黒字の縮小や米中利回り差が引き続き元に下押し圧力をかける見通しだ」と論じた。
3紙は為替に関してリスク中立的な姿勢をとるよう投資家に促した。
中国証券報は、中国の景気見通し改善が今後も人民元の価値を決める最も基本的な要因だと指摘。
上海証券報も、今年は主に国内要因が人民元の価値を左右し、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の改善ペースが焦点になるとした。