[ソウル 13日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は13日、政策金利を予想通り25ベーシスポイント(bp)引き上げ、2008年12月以来の高水準となる3.50%とした。
ロイター調査ではエコノミスト40人中36人が25bpの利上げを予想していた。残り4人は政策金利が3.25%に据え置かれると見込んでいた。
21年8月に現在の引き締めサイクルが始まって以来10回目の利上げとなり、累計の利上げ幅は300bpとなった。多くのエコノミストは今回で引き締め局面が終了するとみている。
中銀は李昌ヨン総裁の記者会見に先立って発表した声明で、世界経済の減速と金利上昇によって今後は韓国経済の成長が鈍化すると予想し、今年の経済成長率は昨年11月時点で予想した1.7%を下回るとの見方を示した。インフレ率は2カ月前の予想に沿って鈍化するとした。また、これまで言及してきた追加利上げの必要性に今回は言及しなかった。
これを受けて債券利回りは低下。指標10年物国債利回りは一時14.3bp低下して3.270%となり、昨年8月下旬以来の低水準を付けた。
声明では「金融通貨委員会は、経済の下振れリスクと金融安定リスク、基準金利(政策金利)引き上げの効果、インフレ減速のペース、主要国の金融政策の変化などを十分に見極めながら、基準金利をさらに引き上げる必要があるかどうかを判断する」とした。
李総裁は記者会見で、6委員のうち2人が金利据え置きに賛成したと述べた。総裁は他の6人の間で多数決が成立した場合は投票しない。
新韓投資証券の債券アナリスト、アン・ジェギョン氏は「予想以上に反対派が多く、総裁のコメントは全般的にハト派的だった」と指摘した。
李総裁は、22年第4・四半期の国内総生産(GDP)がおそらく前期比で減少したと予測。そうなれば20年半ば以来の縮小となる。
その上で、2四半期連続のGDP縮小に見舞われるかどうかを語るのは時期尚早とし、今四半期により良い成長を実現できることを望むと述べた。