[キーウ 20日 ロイター] - 米上院の超党派3議員は20日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、西側諸国によるウクライナへの戦車供給の遅れを非難し、ロシア軍による「大規模な反撃」が差し迫っていると警告した。
キーウを訪れたのは共和党のグラム議員、民主党のブルメンタール議員とホワイトハウス議員。
グラム議員はウクライナのゼレンスキー大統領との会談後の記者会見で、ゼレンスキー大統領は「チャリティーではなく投資」を要請しているとした上で、米国を含む西側諸国から供与される戦車が不足している状況に苛立ちを表明。とりわけ「レオパルト2」戦車の供与を承認していないドイツに対し「ウクライナは戦車を必要としている。ウクライナでプーチン大統領を打ち負かすことはドイツの利益だ」とし、戦車供給を促した。
ブルメンタール議員も、ウクライナの同盟国は「誰がいつ戦車を送るかという混沌とした議論をやめるべき」とし、差し迫ったロシアの攻撃に対抗するために兵器の供給が一刻も早く必要と呼びかけた。
20日開かれたウクライナへの軍事支援を巡る関係国会議では、焦点となっていたウクライナへの独製戦車「レオパルト2」供与決定には至らなかった。ピストリウス独国防相は、独政府がウクライナへのレオパルト2供与を一方的に妨げているという見方を否定した上で、同盟国間で合意があれば、独政府は迅速に行動する用意があると言明した。
また、米政権の高官は米国の主力戦車「エイブラムス」について、米政府はコスト高で維持が難しいという理由から、現時点では供給しない決定を維持しているとした。