[イスタンブール/パリ 8日 ロイター] - 世界各地で8日、国際女性デーの集会が開かれ、特にアフガニスタンやイランなどでの女性の権利を巡る状況の改善を求めた。アフガニスタンでは少女が教育を受ける権利が奪われ、イランではここ数カ月、スカーフの着用方法が不適切だとして拘束された女性が死亡した事件をきっかけに、女性の権利に関する抗議活動が広がっている。
米連邦最高裁が昨年、人工妊娠中絶を合衆国憲法上の権利として認めた「ロー対ウェード」判決を覆す判断を示し、中南米の多くの国では人工妊娠中絶が厳格に制限されている状況下、米州では生殖に関する個人の権利が主要なテーマとなっている。
ジャカルタやシンガポール、イスタンブール、ベルリン、カラカス、メキシコ市など各地では、活動家がシンボルカラーの紫色の服装でデモを行った。
マニラでは、男女平等と賃金の改善を求める活動家と警察が衝突。イスタンブールでは、トルコ警察がデモを解散させるため抗議者に催涙スプレーを浴びせた。
パリでは、デモ隊がパートタイムで働く女性の年金の改善を求めて行進。テルアビブでは、市民の自由を抑圧する恐れのある司法改革に抗議するため女性が手をつないで「人間の鎖」を作った。
多くのデモでは、イランとアフガニスタンの女性への連帯も呼びかけられた。
国連アフガニスタン支援団(UNAMA)のローザ・オトゥンバエワ事務総長特別代表は声明で「タリバン暫定政権下のアフガニスタンは女性の権利に関して最も抑圧的な国のままであり、アフガンの女性と少女を公共の場から締め出す組織的、意図的、系統的な企てを目にするのは痛ましい」と強調した。
ロンドンでは、小説「ハンドメイズ・テイル(侍女の物語)」を連想させる衣装を着た抗議者がイラン大使館へ向けて行進。スペインのバレンシアでは、女性がイランの女性への支持を示すため髪を切った。