ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月11日放送において、シュッピン {{|0:}}を取り上げている。
主な内容は以下の通り。
■会社概要 カメラや高級時計など「価値あるもの」に特化したeコマース(EC)企業。
中古品と新品のそれぞれのニーズの違いや商品特性の違いを活用し、中古品に新品販売拡大のための触媒とも言える役割を果たさせ、新品・中古両方の売上拡大していくポジティブ・スパイラルの流れを創ることに成功して、業容を急拡大させている。
代表取締役社長の鈴木慶(すずきけい)氏はパソコンショップ「ソフマップ」の創業者でもあり、同氏はソフマップ時代に得た経験や教訓を活かして、シュッピンの事業モデルに行き着いた。
■事業モデルの特徴 販売面での特徴は、ECに特化した販売モデルという点だ。
鈴木氏はソフマップの経験から、店舗による販売はメリットよりもデメリットの方が多いという結論に至った。
例えば、店舗投資(新規及びリニューアル)、販売人員確保、店頭在庫の保持などの経営資源の確保に迫られることや、他店との拡大競争及び値下げ競争に巻き込まれることなどが挙げられる。
この反省とインターネット技術の進歩によるECの発達、店舗のショールーム化という消費者行動の変化などを踏まえ、同社はECに特化して販売する方針を掲げている。
ECに特化した場合、店舗投資は不要で、店頭在庫を抱える必要もない。
人員も発送用の人員だけで済むほか、労働時間のシフトなども融通が利かせやすい。
売上高の増加に対して費用(販管費)の伸びを低く抑えて、売上高の伸びを着実に利益の増加に結び付けることができる。
この点がECと店舗小売りの最大の違いと言える。
ただ、同社は店頭での取引を希望する顧客の利便性を考えて、1商材1店舗を展開している。
自転車以外の3商材は、新宿区の本社近くの小型ビルを1棟借りして各フロアに分散して店舗を構えている。
自転車は渋谷区千駄ヶ谷に路面店を構えている。
一方、商材の面での特徴は「価値あるもの」しか扱わないという点だ。
鈴木氏はソフマップ時代にパソコン価格の下落スピードの速さに悩まされた経験を持つ。
商品の価値が機能や性能だけだと、新製品が出れば旧モデルの価格は大きく下落する。
そこで、同社は所有することに価値を見出せる商材や、機能・性能のモノサシが主観的で、価値がなくなりにくい商品に限って取り扱うこととした。
その答えが、カメラ(但し、一眼レフカメラなどの高級機主体)、時計(外国製機械式高級時計主体)、自転車(高級ロードスポーツモデル中心)、及び高級筆記具(高級万年筆など)の4分野となる。
最後に、同社の大きな強みとして、中古品買取に工夫を凝らし、潤沢な中古品流通量をテコにして新品の拡販を加速する事業モデルを確立したことが挙げられよう。
■足元の業績推移 15年3月期決算は、売上高が前期比22.8%増の191.66億円、営業利益が同26.4%増の8.86億円と大幅な増収増益となり、期初予想に対しても上振れで着地した。
カメラ、時計を中心に国内客をターゲットとしたEC販売が好調に推移したことに加えて、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)による店頭売上高も想定以上の大幅増収となり、全体の売上高を押し上げた。
一方、費用面ではEC企業ならではの費用構造が寄与して、費用の上昇を売上高に比して低く抑え、営業利益の大幅増益につなげた。
ROE(自己資本当期純利益率)は前期の24.9%から27.9%へ一段と向上している。
16年3月期については、売上高が前期比20.6%増の231.21億円、営業利益が同26.2%増の11.18億円と引き続き大幅な増収増益の見通しとなっている。
ここまでの月次売上高は、4月が前年同月比37.6%増、5月が同43.6%増と好調に推移している。
また、第3四半期(15年10-12月)からは後述する新基幹システムと連動でCRMマーケティングを開始する計画となっており、この効果も注目される。
■今後の見通しについて 同社は向こう3ヶ年の中期経営計画を策定し、毎年見直しを行っている。
今回、15年3月期の結果を踏まえて16年3月期と17年3月期の業績計画を見直すと同時に、18年3月期の新計画を策定した。
18年3月期の数値目標は売上高が15年3月期実績比約66%増の318.15億円、営業利益は同約2.3倍の20.36億円となっており、売上高目標が300億円の大台乗せとなったことが注目される。
その先には、カメラと時計の合計で400億円という同社の長期目標の達成が見えてきている。
主力のカメラ事業に関しては、レンズ交換式カメラを買う層はいわゆる「アクティブシニア層」と呼ばれる中高年である。
また、この中期経営計画のタイミングは、東京オリンピック・パラリンピックを控えて街並みに大きな変化が出てくる時期と重なる。
したがって、高級カメラで映像を残そうとするニーズがより高まってくることが期待される。
さらに、日本を訪れる外国人観光客の増加も追い風と言える。
また、本計画における目玉として、新基幹業務システムの導入が挙げられる。
この導入で改善が期待される点としては、(1)受注・出荷・経理処理などの各業務段階で発生した作業について、それぞれのシステムで管理していたものを一貫のシステムで管理することにより業務が大幅に効率化できる、(2)ECと店舗とで別々に管理していた顧客情報を一元化しマーケティングなどの効率化を推進できる、(3)新基幹システムの完成をベースとしてCRMマーケティングを開始する計画で、個々の客に合わせた情報配信、欲しいものリストと「売りたい」のマッチング、仕入れ精度の向上、などの効果が期待される、といったことが挙げられる。
■株価動向 業績拡大を背景に、株価は上昇する25日線を支持線とした強いトレンドが継続している。
足元で1月高値を上放れてきており、需給面も良好とみられる。
今後は1月高値1960円辺りが支持線として意識され、2000円固めからの一段の上昇が期待される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送
主な内容は以下の通り。
■会社概要 カメラや高級時計など「価値あるもの」に特化したeコマース(EC)企業。
中古品と新品のそれぞれのニーズの違いや商品特性の違いを活用し、中古品に新品販売拡大のための触媒とも言える役割を果たさせ、新品・中古両方の売上拡大していくポジティブ・スパイラルの流れを創ることに成功して、業容を急拡大させている。
代表取締役社長の鈴木慶(すずきけい)氏はパソコンショップ「ソフマップ」の創業者でもあり、同氏はソフマップ時代に得た経験や教訓を活かして、シュッピンの事業モデルに行き着いた。
■事業モデルの特徴 販売面での特徴は、ECに特化した販売モデルという点だ。
鈴木氏はソフマップの経験から、店舗による販売はメリットよりもデメリットの方が多いという結論に至った。
例えば、店舗投資(新規及びリニューアル)、販売人員確保、店頭在庫の保持などの経営資源の確保に迫られることや、他店との拡大競争及び値下げ競争に巻き込まれることなどが挙げられる。
この反省とインターネット技術の進歩によるECの発達、店舗のショールーム化という消費者行動の変化などを踏まえ、同社はECに特化して販売する方針を掲げている。
ECに特化した場合、店舗投資は不要で、店頭在庫を抱える必要もない。
人員も発送用の人員だけで済むほか、労働時間のシフトなども融通が利かせやすい。
売上高の増加に対して費用(販管費)の伸びを低く抑えて、売上高の伸びを着実に利益の増加に結び付けることができる。
この点がECと店舗小売りの最大の違いと言える。
ただ、同社は店頭での取引を希望する顧客の利便性を考えて、1商材1店舗を展開している。
自転車以外の3商材は、新宿区の本社近くの小型ビルを1棟借りして各フロアに分散して店舗を構えている。
自転車は渋谷区千駄ヶ谷に路面店を構えている。
一方、商材の面での特徴は「価値あるもの」しか扱わないという点だ。
鈴木氏はソフマップ時代にパソコン価格の下落スピードの速さに悩まされた経験を持つ。
商品の価値が機能や性能だけだと、新製品が出れば旧モデルの価格は大きく下落する。
そこで、同社は所有することに価値を見出せる商材や、機能・性能のモノサシが主観的で、価値がなくなりにくい商品に限って取り扱うこととした。
その答えが、カメラ(但し、一眼レフカメラなどの高級機主体)、時計(外国製機械式高級時計主体)、自転車(高級ロードスポーツモデル中心)、及び高級筆記具(高級万年筆など)の4分野となる。
最後に、同社の大きな強みとして、中古品買取に工夫を凝らし、潤沢な中古品流通量をテコにして新品の拡販を加速する事業モデルを確立したことが挙げられよう。
■足元の業績推移 15年3月期決算は、売上高が前期比22.8%増の191.66億円、営業利益が同26.4%増の8.86億円と大幅な増収増益となり、期初予想に対しても上振れで着地した。
カメラ、時計を中心に国内客をターゲットとしたEC販売が好調に推移したことに加えて、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)による店頭売上高も想定以上の大幅増収となり、全体の売上高を押し上げた。
一方、費用面ではEC企業ならではの費用構造が寄与して、費用の上昇を売上高に比して低く抑え、営業利益の大幅増益につなげた。
ROE(自己資本当期純利益率)は前期の24.9%から27.9%へ一段と向上している。
16年3月期については、売上高が前期比20.6%増の231.21億円、営業利益が同26.2%増の11.18億円と引き続き大幅な増収増益の見通しとなっている。
ここまでの月次売上高は、4月が前年同月比37.6%増、5月が同43.6%増と好調に推移している。
また、第3四半期(15年10-12月)からは後述する新基幹システムと連動でCRMマーケティングを開始する計画となっており、この効果も注目される。
■今後の見通しについて 同社は向こう3ヶ年の中期経営計画を策定し、毎年見直しを行っている。
今回、15年3月期の結果を踏まえて16年3月期と17年3月期の業績計画を見直すと同時に、18年3月期の新計画を策定した。
18年3月期の数値目標は売上高が15年3月期実績比約66%増の318.15億円、営業利益は同約2.3倍の20.36億円となっており、売上高目標が300億円の大台乗せとなったことが注目される。
その先には、カメラと時計の合計で400億円という同社の長期目標の達成が見えてきている。
主力のカメラ事業に関しては、レンズ交換式カメラを買う層はいわゆる「アクティブシニア層」と呼ばれる中高年である。
また、この中期経営計画のタイミングは、東京オリンピック・パラリンピックを控えて街並みに大きな変化が出てくる時期と重なる。
したがって、高級カメラで映像を残そうとするニーズがより高まってくることが期待される。
さらに、日本を訪れる外国人観光客の増加も追い風と言える。
また、本計画における目玉として、新基幹業務システムの導入が挙げられる。
この導入で改善が期待される点としては、(1)受注・出荷・経理処理などの各業務段階で発生した作業について、それぞれのシステムで管理していたものを一貫のシステムで管理することにより業務が大幅に効率化できる、(2)ECと店舗とで別々に管理していた顧客情報を一元化しマーケティングなどの効率化を推進できる、(3)新基幹システムの完成をベースとしてCRMマーケティングを開始する計画で、個々の客に合わせた情報配信、欲しいものリストと「売りたい」のマッチング、仕入れ精度の向上、などの効果が期待される、といったことが挙げられる。
■株価動向 業績拡大を背景に、株価は上昇する25日線を支持線とした強いトレンドが継続している。
足元で1月高値を上放れてきており、需給面も良好とみられる。
今後は1月高値1960円辺りが支持線として意識され、2000円固めからの一段の上昇が期待される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送