Nobuhiro Kubo
[3日 ロイター] - ニューヨーク外国為替市場で3日、ドルが約11カ月ぶりに150円台に乗せた後、すぐに1円超急落した。米金利の上昇で円安に歯止めがかからない中、市場では日本の当局によるレートチェックや介入が警戒されており、神経質な値動きが続いていた。
ドルは米東部時間の午前10時(日本時間午後11時)過ぎ、150円16銭まで上昇。直後に1円超急落し、その後147円30銭台まで下げた。ドルが150円台に乗せたのは昨年10月以来。足元は149円台前半まで戻している。
日本の財務省幹部はロイターの取材に、介入の有無については「ノーコメント」とした。
ドル/円の急動意が介入によるものだったか否かについては、市場の見方も分かれている。
TDセキュリティーズのグローバル・マクロ戦略責任者、ジェームズ・ロシター氏は「介入のように見えるが、介入ではないだろう。力強い動きが見られない」と指摘した。
一方、トレーダーXのマーケットアナリスト、マイケル・ブラウン氏は「正直なところ、介入としか言いようがない。1ドル=150円のラインを超えた瞬間に大きく下落している。(介入でなければ)信じられないような偶然が重なったとしか考えられない」と述べた。
鈴木俊一財務相はこの日の閣議会見で、円安が進む為替相場について「引き続き高い緊張感をもって万全の対応をしていく」と述べていた。為替介入の判断はドル・円の水準ではなく、ボラティリティー(変動率)の問題との認識も示していた。
日本政府・日銀は円安が進んだ昨年9月から10月にかけ、計3回円買い介入を実施した。
(久保信博 取材協力:梶本哲史 編集:佐々木美和)