Gertrude Chavez-Dreyfuss
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が、利上げ終了を示唆するものと受け止められた。
ドル指数は小幅安の106.64。10月初めにほぼ1年ぶり高値となる107.34を付けて以来、高値圏で推移している。
ドル/円は0.6%下落の150.89円となった。
FRBは10月31日─11日1日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。声明は「経済活動は第3・四半期に力強い(strong)ペースで拡大した」とし、9月会合時点に示した「堅調な(solid)ペース」から判断を引き上げた。
しかし、パウエル議長の会見での発言には、FRBが再利上げを行うかどうか投資家に疑念を抱かせるような、複雑なメッセージが含まれていた。
パウエル議長は、FRBがインフレ率を2%に回帰させるにはまだ長い道のりがあるとし、一段利上げを正当化しうる経済データと労働需要の耐性に言及した。一方、金融情勢は明らかに引き締まっているとも指摘し、多くのリスクを挙げた。
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニアインベストメントストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は「このことは、FRBがより多くの政策を実施する潜在的なリスクはあるものの、利上げのハードルはより高くなっていることを示唆している」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが利上げを終え、来年6月までに利下げを開始するとの見方が強まっている。12月と1月の利上げに対する予想は、それぞれ19%と30%に低下した。10月31日遅くには28%と39%だった。
トレーダーXのマーケットアナリスト、マイケル・ブラウン氏は「9月のドットチャートで示された追加利上げの可能性は残っているが、労働市場の回復力とインフレ見通しの上振れリスクを考えると、FRBが利上げ一時停止を続ければ続けるほどその可能性は小さくなる」と述べた。
ユーロ/ドルは1.0570ドルで横ばいだった。
ドル/円 NY終値 150.95/150.96
始値 151.19
高値 151.41
安値 150.67
ユーロ/ドル NY終値 1.0568/1.0572
始値 1.0548
高値 1.0575
安値 1.0518