*14:07JST 国内株式市場見通し:存在感増すトランプ前大統領の言動に市場が振らされる展開
■史上初めて42000円に乗せた後に急落
今週の日経平均は週間で1126.89円安(-2.74%)の40063.79円と下落。
暗殺未遂事件をきっかけに、トランプ前大統領の存在感及び発言権が増したことから、米国株式市場ではトランプラリーと呼ばれる「資源、防衛関連、自動車買い」「医療、再生エネルギー売り」が進み、東京市場でも三菱重工 (TYO:7011)、川崎重工 (TYO:7012)など防衛関連銘柄の一角が買い優勢となった。
ただ、17日午後、バイデン政権が「対中半導体規制で最も厳格な措置を検討と同盟国に警告」といったニュースが伝わると、名指しされた東京エレクトロン (TYO:8035)を中心にアドバンテスト (TYO:6857)、SUMCO (TYO:3436)、レーザーテック (TYO:6920)など半導体株が総じて急落。
為替市場でも、トランプ前大統領が「円安ドル高を批判」したことから、1ドル155円台前半まで円高ドル安が加速した。
週末にかけては、NYダウやナスダック下落などが影響して、日経平均は40000円を割り込む場面も見られた。
なお、7月第2週(8-12日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1258億円買い越し、現物と先物合計では1兆53億円買い越した。
買い越しは3週連続となる。
このほか、証券会社の自己売買部門は合計1278億円買い越したほか、個人投資家は490億円買い越しとなった。
■日経平均は25日線を下回る可能性も
日経平均は、7月11日に取引時間中の史上最高値42426.77円(終値の史上最高値は42224.02円)を付けた際、25日移動平均線との乖離率は短期的な過熱感を示す7%水準に達していたが、週末は25日移動平均線水準でのもみ合いとなった。
同期間の東京エレクトロンの高安の値幅は9175円(7月11日高値:38930円、18日安値29755円)だったことから、日経平均を917円押し下げた計算となる。
今年の日経平均のけん引役だった半導体株は、米国発のニュースで難しい状況に陥ったと言えよう。
バイデン政権による「対中半導体規制」だけではなく、存在感が増したトランプ前大統領は、台湾の半導体産業について「米国の半導体ビジネスの全てを奪った」「台湾が防衛費を負担すべき」と発言したことで、半導体受託生産世界最大手の台湾TSMCが下落するなど半導体産業に影響を与えている。
値がさ半導体株が要人発言など関連ニュースに押されていることから、日経平均は下方圧力が強まる可能性はある。
なお、19日の米国株式市場は続落となった。
ダウ平均は377.49ドル安(-0.93%)の40287.53ドル、ナスダックは144.28ポイント安(-0.81%)の17726.94、S&P500は39.59ポイント安(-0.71%)の5505.00で取引を終了。
大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比450円安の39590円で取引を終えた。
世界中で発生したシステムトラブルが売り要因となったが、問題解決に時間がかかれば、週初の東京市場でも売り材料となろう。
■トランプ発言で円高ドル安加速
為替は1ドル161円台から155円台まで円高ドル安に振れている。
11日と12日に実施されたと見られる政府・日本銀行による円買いドル売り介入のほか、トランプ前大統領によるドル高是正発言などが材料視されて、投機筋による円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が進んでいるとの観測。
ただ、トランプ前大統領の経済政策は財政拡大路線と見られており、金利は上昇しドル高に進みやすい傾向がある。
トランプ前大統領の発言力が強いため、短期的には「ドル高是正発言」に反応したが、そもそも方針との違いなどが意識されて為替のトレンドは出にくいと考える。
一方、日銀金融政策決定会合開催が7月30-31日に迫っているため、河野デジタル大臣の発言のように金融政策に関する様々な発言が飛び交いやすく、為替はその都度、上下に振れる展開となりそうだ。
今時点では、国債買入の減額スケジュールが示され、追加の利上げ実施は見送られるとの見方が強い。
とはいえ、様々な思惑が錯綜することから、株式市場、為替市場、金利市場ともに神経質な地合いが続くと考える。
■26日に6月米PCEデフレータ発表
来週にかけて、国内では、26日に7月東京消費者物価指数、5月景気動向指数(確報値)などが予定されている。
海外では、22日に独・5月小売売上高、NZ・6月貿易収支、中・中国最優遇貸出金利、23日に欧・7月消費者信頼感指数(速報値)、米・7月リッチモンド連銀製造業指数、6月中古住宅販売件数、24日に独・8月GfK消費者信頼感調査、7月製造業PMI(速報)、サービス業PMI(速報値)、仏・7月製造業PMI(速報値)、欧・7月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・7月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、6月新築住宅販売件数、週次原油在庫、25日に独・7月Ifo景況感指数、トルコ・トルコ中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、第2四半期実質GDP(速報値)、6月耐久財受注(速報値)、26日に豪・6月小売売上高、米・6月個人所得、PCEデフレータ、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている
今週の日経平均は週間で1126.89円安(-2.74%)の40063.79円と下落。
暗殺未遂事件をきっかけに、トランプ前大統領の存在感及び発言権が増したことから、米国株式市場ではトランプラリーと呼ばれる「資源、防衛関連、自動車買い」「医療、再生エネルギー売り」が進み、東京市場でも三菱重工 (TYO:7011)、川崎重工 (TYO:7012)など防衛関連銘柄の一角が買い優勢となった。
ただ、17日午後、バイデン政権が「対中半導体規制で最も厳格な措置を検討と同盟国に警告」といったニュースが伝わると、名指しされた東京エレクトロン (TYO:8035)を中心にアドバンテスト (TYO:6857)、SUMCO (TYO:3436)、レーザーテック (TYO:6920)など半導体株が総じて急落。
為替市場でも、トランプ前大統領が「円安ドル高を批判」したことから、1ドル155円台前半まで円高ドル安が加速した。
週末にかけては、NYダウやナスダック下落などが影響して、日経平均は40000円を割り込む場面も見られた。
なお、7月第2週(8-12日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1258億円買い越し、現物と先物合計では1兆53億円買い越した。
買い越しは3週連続となる。
このほか、証券会社の自己売買部門は合計1278億円買い越したほか、個人投資家は490億円買い越しとなった。
■日経平均は25日線を下回る可能性も
日経平均は、7月11日に取引時間中の史上最高値42426.77円(終値の史上最高値は42224.02円)を付けた際、25日移動平均線との乖離率は短期的な過熱感を示す7%水準に達していたが、週末は25日移動平均線水準でのもみ合いとなった。
同期間の東京エレクトロンの高安の値幅は9175円(7月11日高値:38930円、18日安値29755円)だったことから、日経平均を917円押し下げた計算となる。
今年の日経平均のけん引役だった半導体株は、米国発のニュースで難しい状況に陥ったと言えよう。
バイデン政権による「対中半導体規制」だけではなく、存在感が増したトランプ前大統領は、台湾の半導体産業について「米国の半導体ビジネスの全てを奪った」「台湾が防衛費を負担すべき」と発言したことで、半導体受託生産世界最大手の台湾TSMCが下落するなど半導体産業に影響を与えている。
値がさ半導体株が要人発言など関連ニュースに押されていることから、日経平均は下方圧力が強まる可能性はある。
なお、19日の米国株式市場は続落となった。
ダウ平均は377.49ドル安(-0.93%)の40287.53ドル、ナスダックは144.28ポイント安(-0.81%)の17726.94、S&P500は39.59ポイント安(-0.71%)の5505.00で取引を終了。
大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比450円安の39590円で取引を終えた。
世界中で発生したシステムトラブルが売り要因となったが、問題解決に時間がかかれば、週初の東京市場でも売り材料となろう。
■トランプ発言で円高ドル安加速
為替は1ドル161円台から155円台まで円高ドル安に振れている。
11日と12日に実施されたと見られる政府・日本銀行による円買いドル売り介入のほか、トランプ前大統領によるドル高是正発言などが材料視されて、投機筋による円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が進んでいるとの観測。
ただ、トランプ前大統領の経済政策は財政拡大路線と見られており、金利は上昇しドル高に進みやすい傾向がある。
トランプ前大統領の発言力が強いため、短期的には「ドル高是正発言」に反応したが、そもそも方針との違いなどが意識されて為替のトレンドは出にくいと考える。
一方、日銀金融政策決定会合開催が7月30-31日に迫っているため、河野デジタル大臣の発言のように金融政策に関する様々な発言が飛び交いやすく、為替はその都度、上下に振れる展開となりそうだ。
今時点では、国債買入の減額スケジュールが示され、追加の利上げ実施は見送られるとの見方が強い。
とはいえ、様々な思惑が錯綜することから、株式市場、為替市場、金利市場ともに神経質な地合いが続くと考える。
■26日に6月米PCEデフレータ発表
来週にかけて、国内では、26日に7月東京消費者物価指数、5月景気動向指数(確報値)などが予定されている。
海外では、22日に独・5月小売売上高、NZ・6月貿易収支、中・中国最優遇貸出金利、23日に欧・7月消費者信頼感指数(速報値)、米・7月リッチモンド連銀製造業指数、6月中古住宅販売件数、24日に独・8月GfK消費者信頼感調査、7月製造業PMI(速報)、サービス業PMI(速報値)、仏・7月製造業PMI(速報値)、欧・7月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・7月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、6月新築住宅販売件数、週次原油在庫、25日に独・7月Ifo景況感指数、トルコ・トルコ中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、第2四半期実質GDP(速報値)、6月耐久財受注(速報値)、26日に豪・6月小売売上高、米・6月個人所得、PCEデフレータ、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている