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GTS Research Memo(3):遺伝子組み換え技術や細胞培養技術等を応用して製造するバイオ医薬品に特化

発行済 2016-01-18 08:09
更新済 2016-01-18 08:33
GTS Research Memo(3):遺伝子組み換え技術や細胞培養技術等を応用して製造するバイオ医薬品に特化
■会社概要とバイオ医薬品市場について (2)バイオ医薬品、バイオシミラーについて ジーンテクノサイエンス {{|0:}}が事業を展開しているバイオ医薬品とは、微生物や細胞に備わっているたんぱく質を作る機能を活用し、医薬品として役立つ特定のたんぱく質(ホルモン、酵素、抗体等)を作らせ、医薬品化したものを指す。
よく知られているバイオ医薬品としては、インスリン(糖尿病治療薬)やインターフェロン(C型肝炎治療薬)などがある。
一般的な医薬品(低分子化合物)が分子レベルの化学合成によって量産されるのに対して、バイオ医薬品は遺伝子組み換え技術や細胞培養・精製技術を用いて、大量の微生物や細胞を培養し、それらの中で合成させ精製するなど、製造プロセスが大きく異なっており、開発費や量産に必要な製造設備のコスト負担が大きいことが特徴となっている。
また、生物製剤であるため、使用期限も一般的な医薬品に対して短い。
これらの要因により、薬価も総じて高価なものが多い。
また、一般的な医薬品には新薬として開発された先行品と、先行品と同一の分子構造の化合物を医薬品化した後発医薬品(ジェネリック医薬品)とがあるのと同様に、バイオ医薬品においても後続品となるバイオシミラーがある。
ただ、一般的なジェネリック医薬品とは違い、先行品に対し、たんぱく質自体は同一で、薬効、安全性等は変わらないものの、たんぱく質に付加される糖鎖などに微妙な差異があるため、完全に同一のものはできない。
このため、より先行品に類似したものを製造するために、独自で製法を確立し、物理化学的なデータを積み重ね、同等性と同質性を証明しなければならない。
また、臨床試験においては安全性や有効性などの同等性試験が必要となる。
これらを満たし初めて製造販売承認が取得できるため、研究開発費は一般的なジェネリック医薬品と比較すれば格段に大きくなる。
薬価に関しては、先行品の約70%で設定されるため、いかに生産性の高い製造プロセスを確立できるかが、バイオシミラーを開発し商用生産化していくうえでは重要な要素となっている。
特に、製造プロセスを確立するためのノウハウや、開発品の特性・品質を解析するノウハウなどを持つ企業は国内ではまだ少ない。
同社はバイオ医薬品に特化して、10年以上にわたる研究開発を進めてきた蓄積があり、バイオシミラーの領域においては国内でもトップクラスの開発ノウハウを持つ企業として位置付けられている。
なお、バイオ新薬とバイオシミラーを比較した場合、研究着手から上市までの期間は新薬が15~17年、バイオシミラーが4~7年程度となっている。
新薬の場合は、遺伝子の探索(機能解析)で2~3年、医薬候補化合物のスクリーニングで2~4年の時間を要するほか、非臨床から臨床試験に至るまでの期間も長期間を要するためだ。
このため、研究開発費としては新薬が200~300億円かかるのに対して、バイオシミラーは25~60億円程度となり、また、開発から上市に至るまでの成功確率も新薬と比較して格段に高くなる。
後述するがバイオシミラーの市場が今後急速に拡大していくことも予想されており、同社ではバイオ新薬の開発を行いつつも、そのノウハウを活かしてバイオシミラー事業に重点を置いた事業展開を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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