為替週間見通し:底堅い値動きか、米金融政策にらみドル買い再開の可能性も

発行済 2025-01-25 14:49
更新済 2025-01-25 15:00
© Reuters.
*14:49JST 為替週間見通し:底堅い値動きか、米金融政策にらみドル買い再開の可能性も 【今週の概況】
■日銀追加利上げでリスク選好の円売り縮小

今週の米ドル・円は伸び悩み。
トランプ米大統領が就任前から警告していた関税について、懸念されていたほど大規模なものではない可能性があること、米連邦準備制度理事会(FRB)に金利引き下げを求めたことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りは縮小した。
日本銀行による追加利上げが広く予想されていたこともドルの上昇を抑える一因となった。


1月24日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は一時156円57銭まで上昇したが、155円台半ばまで反落した。
トランプ米大統領が中国に対する関税賦課について消極的な意見を述べたこと、S&Pグローバル1月米サービス業PMIは市場予想を下回ったことを受けてリスク選好的な米ドル買いは縮小した。
日銀による追加利上げ決定を受けた円買いも観測された。
米ドル・円は155円98銭でこの週の取引を終えた。
米ドル・円の取引レンジ:154円78銭-156円75銭。


【来週の見通し】
■底堅い値動きか、米金融政策にらみドル買い再開の可能性も

来週のドル・円は底堅い値動きか。
日本銀行は1月23-24日に開催した金融政策決定会合で、追加利上げを決定した。
日銀植田総裁は会見で経済・物価の改善が続く見通しであればさらなる利上げを検討する考えを明らかにしたが、「利上げのペースや時期については経済・物価情勢を慎重に見て判断する」と伝えており、リスク回避の円買いは一巡しつつある。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを見送る公算。
現時点で年内2回程度の利下げが予想されているものの、日米金利差の大幅縮小観測は後退した。
欧州通貨に対する米ドル買いが再開すれば、米ドル・円の取引でも米ドル買い・円売りが増える可能性がある。
ただ、トランプ大統領はFRBに対し政策金利の引き下げ圧力を強めるとみられ、ドルの上昇を抑える可能性がある。


【米・10-12月国内総生産(GDP)速報値】(30日発表予定)
1月30日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)速報値は7-9月期の前期比年率+3.1%を下回る見込みだが、市場予想を上回った場合、景況感の改善が好感され、ドル買い材料となる。


【米12月コアPCE価格指数】(1月31日発表予定)
1月31日発表の米12月コアPCE価格指数が高止まれば、利下げ休止観測を後押し。
早期追加利下げ観測の後退を背景とするドル買いの手がかりになりやすい。


ドル・円の予想レンジ:154円50銭-157円50銭


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