ブラックフライデーがやってきました! 最大60%割引InvestingProをお見逃しなく 特別セールを請求する

東京外為市場・正午=ドル81円後半、貿易赤字が予想下回り円売り意欲減退

発行済 2011-05-25 12:28

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   81.85/90  1.4048/55  115.04/09

午前9時現在 82.05/07  1.4092/93  115.61/68

NY17時現在 81.97/99  1.4099/04 115.52/58

--------------------------------------------------------------------------------

 [東京 25日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比

べて若干ドル安の81円後半。東日本大震災の影響で4月の貿易統計は大幅な赤字を計上

したが、赤字額が予想を下回ったことから、ドル買い/円売りを狙っていた投機筋は出鼻

をくじかれ、ドルは小幅に値を下げた。他方、ユーロや豪ドルは、様々な予想や観測が飛

び交う中、ロングポジションの巻き戻しが加速し、下値を伸ばした。

 

 ドルは朝方の高値82.17円から81円後半まで下落。この日は商業決済が集中する

五、十日に当たるため、仲値公示にかけてドルの底堅さが目立ったが、その後はユーロや

豪ドルが下げ幅を拡大する中、クロス円での円高の影響もあり、じり安の展開となった。

 

 ユーロはギリシャのパパンドレウ首相が辞任するとの噂や、ギリシャが解散総選挙の実

施をきょうにも発表する見込みなど、「いろいろ噂が飛び交い、結果的にユーロ売りにつ

ながった」(外銀)という。ユーロは朝方の高値1.4107ドル付近から1.4034

ドル付近まで下落した。

 さらに、GEキャピタルが約50億豪ドル相当の豪州およびニュージーランドのモーゲ

ージを売却するとの報道が、ユーロ売り、豪ドル売りを招いた。豪ドルは朝方の

高値1.0561ドルから1.0488ドル付近まで下落した。市場では、「ユーロ・ロ

ングや豪ドル・ロングの巻き戻しが中心。さまざまな観測や噂をきっかけに巻き戻しが加

速している」(投信ファンド・マネージャー)という。ただ、「世界中が豪ドルロングに

なるなかで、本格的な豪ドルロングの巻き戻しはまだ先だろう」(同)との意見もでてい

た。

 <貿易赤字>

 

 4月の貿易収支は4637億円の赤字となり、ロイター予測の中央値である6921億

円の赤字幅を下回る結果となった。同データ発表直前に82.08円付近を推移していた

ドルは、データ発表を受けて一時的に82円を下回った。その後82円台を回復したが、

82円台では戻り売りに押された。

 「4月の貿易赤字が予想より小さかったことは、方向としては円高要因だ。中身をみて

も、輸出がほぼ予想通りだったことに対して輸入が予想より小さく、景気が想定よりやや

弱めであることが見て取れる」と大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所チーフ

為替ストラテジスト、亀岡裕次氏は言う。

 「ただ、長続きする材料ではないとみている。米金利が下げ渋ってきたこともあり、ド

ル/円の水準は81円台から82円台にじわじわと上がってきている。これまでソブリン

問題を無視して上昇してきたユーロ/ドルが下落に転じており、1.35ドルより下まで

は売られるとみている。これによるドル買いの波及などから、ドル/円も3カ月から半年

タームでみれば85円を超えて上昇すると予想している」と同氏は述べた。

 

 「4月の貿易収支が予想を下回る赤字となったことで、所得収支を含む経常収支は黒字

となる見込みだ。これで心配されていた経常収支の赤字化による円金利上昇圧力や円売り

圧力はオフセットされ、円の買い戻しにつながるだろう」と東海東京証券のチーフエコノ

ミスト、斎藤満氏は言う。

  既に公表されていた4月上中旬の貿易収支(原数値)は7868億円の赤字だったた

め、下旬に入って貿易収支は約3000億円規模で黒字化したことになる。

 「下旬の貿易黒字については、2つの可能性が考えられる。 1つは、生産供給網をネ

ックとした輸出への制約が意外と早く立ち直った可能性。 もう1つ、海外業者が放射能

汚染による日本への寄港を躊躇(ちゅうちょ)したことにより、輸入が伸び悩んだ可能性

も排除できない。 もし後者の可能性が高く、実態をより正確に反映しているとすれば、

日本経済は、モノ不足による供給懸念というリスクを内包していると言えよう」と斎藤氏

は述べた。

 <人民元>

  中国人民銀行の発表によると人民元の対ドル基準値は1米ドル=6.4949元と、

前日の基準値6.5038元に比べ小幅にドル安/元高の水準。 

 先日の海外市場では、海外ファンド勢がドル/人民元の1年物ノンデリバラブル・フォ

ワード(NDF)を買い進み、「一段の元高を見込むポジションを膨らま

せていた」(外資系ファンド)という。多くのファンドが同じ戦略をとっているとみられ

、この日もNDFでの元高が顕著となっている。

 ドル/人民元1年物NDFは、朝方の6.3820元付近から、一時6.3720元付

近まで水準を切り下げ、ドル安/元高が進んだ。現在は6.3760/10元の気配。前

日は上海市場の終盤には6.3810元付近だった。

 市場では、「中国景気の減速が気になる。人民元は上方修正される方向性は政治的に間

違いないが、経済的に必然かどうかはわからない」(外銀)との指摘きかれた。

  (ロイター 森佳子記者)

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます