[東京 8日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 午後3時現在 119.96/98 1.1204/08 134.41/45 正午現在 119.93/95 1.1210/14 134.45/49 午前9時現在 119.71/73 1.1243/47 134.60/64 NY午後5時 119.73/75 1.1265/70 134.89/93
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の 119円後半だった。実需筋のフローがドルを押し上げたが、上値では海外短期筋の売り が流入し、120円を目前に伸び悩んだ。朝方、英下院総選挙の出口調査の結果が伝わる と、英ポンドが急伸。英ポンド/ドルは午後にかけて上昇し、2カ月超ぶりの高値を付け た。
ドル/円は東京市場の取引を119.60円台で開始。11時過ぎと正午過ぎに11 9.97円まで上昇した。本邦勢は仲値にかけて買いが優勢で、大手投資家のフローに乗 じて上値を伸ばしたが、高値では、海外勢の戻り売りが上値を抑えた。
市場では「買わなければならない人が買えずに焦れている状態。輸入企業は落ちてく るのを待っていたが、なかなか落ちてこないので、一部で買い注文のレベルを上げてきて いる」(国内金融機関)との声があった。ただ、120円に近いところでは買い意欲は弱 まり、頭の重さが意識されたという。
<英総選挙の出口調査受け、英ポンド急伸>
英国で行われた下院総選挙は、キャメロン首相率いる与党・保守党が第一党となる見 通しとなった。70%強の集計結果が出た時点で、英国放送協会(BBC)は保守党が6 50議席のうち325議席を獲得し、事実上過半数を獲得するとの予測を示している。
朝方の出口調査で保守党の優勢が伝わると、1.52ドル半ばで推移していた英ポン ドは急伸。午後にかけて1.5516ドルまで上昇し、2月26日以来、2カ月超ぶりの 高値を付けた。
SMBC日興証券のエコノミスト、木村和典氏は「選挙前は少数与党政権の発足が避 けられないとの見方が優勢で、スコットランド民族党(SNP)に依存した労働党政権の 発足や、解散・再選挙までも想定されていた」と指摘。出口調査はこうしたリスクを大き く後退させたとし、きょうの欧州時間から来週にかけてポンドがさらに買い戻される可能 性もあるとみていた。
市場では「英国はEU離脱問題やスコットランド問題を抱えている。英ポンドが安定 的な上昇トレンドに入ったと見るのは時期尚早だろう」(邦銀)との声が聞かれた。
<米上院がTPA法案の審議を来週開始>
米上院共和党のマコネル院内総務は7日、環太平洋連携協定(TPP)の妥結に不可 欠な貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)をオバマ大統領に付与する法案につ いて、上院での審議を来週に開始する方針を示した。 マコネル院内総務は、TPA法案の審議に入るための動議に対する採決を12日に設 定した。法案の審議に入るには60票以上の賛成が必要となる。 同法案をめぐっては、米国内の労働組合が廃案に追い込む運動を展開。労組側は、T PPが成立すれば国内の雇用が失われるなどと主張している。
為替市場との関連では「ドル高の米経済への影響が顕在化しつつあるなかで、ドル/ 円が大きく上昇した場合には、TPPおよびTPAに反対する一部米議員からの反発を招 き、米製造業からの批判の声が高まり、日米のTPP交渉に支障をきたす可能性が高い」 (JPモルガン・チェース銀行)との指摘が出ている。 「TPAが米国議会(特に下院)を通過する可能性が五分五分とみられる中、日米両 国政府が交渉の妨げとなる可能性がある、あらゆるノイズを避けようとすることは理にか なっているだろう」(同)との指摘が出ている。 「日米間合意とTPAの米議会通過を経て、全体会合でTPP全ての交渉分野におけ る合意がなされるまでは、日米両政府ともに過度のドル高/円安を望まない状況が続き、 ドル/円の上値を抑制する可能性がある」(同)という。
(為替マーケットチーム)