[ワシントン 30日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は30日、アフガニスタンの首都カブールの米外交機能を停止したとし、今後カタールから外交業務を行うと明らかにした。米軍撤収後も米政府はアフガンからの出国を望む米国人やアフガン人などの支援で「絶え間ない」努力を続けると表明した。
ブリンケン氏の発言に先立ち、最後の米軍輸送機がカブールの空港を離陸した。これまで欧米諸国に協力し、退避資格があるかもしれない数千ものアフガン人が取り残された。
バイデン氏は31日を米軍の撤退期限としていたが、撤退は30日に完了した。バイデン氏に対しては、タリバンによるカブール制圧以降のアフガン情勢への対応を巡り、与野党双方から厳しい批判が出ていた。
ブリンケン氏は、領事業務や人道支援を含むアフガン関連の外交業務をカタールの首都ドーハで行うと説明した。
「米国のアフガニスタンへの関与で新たな章が始まった」と強調し、アフガンからの出国を希望する米国人や外国人、アフガン人の支援で絶え間ない努力を続けると表明した。
出国を希望している100人以上の米国人が依然アフガンに残されているとようだとし、正確な数の把握に努めていると説明した。これまでに6000人以上の米国人が退避した。
タリバンが再び実権を握った日の前日8月14日以降、12万2000人以上がカブールの空港から出国した。
ブリンケン氏は、カブールの空港の今後の状況が見通せないことから、米国人などが陸路で出国を希望した際の支援方法を模索していると説明し「こうしたことが簡単に実行できるという幻想は抱いていない」と述べた。