■業績動向1. 2019年11月期第2四半期累計業績の概要エスプール (T:2471)の2019年11月期の連結業績は、売上高で前年同期比20.8%増の8,296百万円、営業利益で同64.8%増の763百万円、経常利益で同66.2%増の778百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同63.8%増の496百万円といずれも期初会社計画を上回り、半期ベースで過去最高業績を更新した。
売上高は人材アウトソーシングサービスが前年同期比20.9%増、障がい者雇用支援サービスが同44.4%増と主力2事業が揃って好調に推移したことが増収要因となった。
売上総利益率は29.2%と前年同期比で1.8ポイント上昇した。
収益性の高い障がい者雇用支援サービスの売上が大きく伸張したことや、ロジスティクスアウトソーシングサービスにおいて収益改善施策を実行したことが改善要因となった。
販管費は人件費が主な増加要因となったものの、増収効果に加えて人材ソリューション事業における派遣スタッフ募集費が想定を下回ったこともあり、販管費率では同0.6ポイント低下し、この結果、営業利益率は同2.5ポイント上昇の9.2%と過去最高水準を更新した。
営業利益の主な増減要因を見ると、障がい者雇用支援サービスで155百万円、人材アウトソーシングサービスで108百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスで82百万円、その他事業で73百万円の増益となり、本社・共通費用の増加119百万円を吸収する格好となった。
また、前年同期に損失を計上したロジスティクスアウトソーシングサービスと採用支援サービスが黒字に転換しており、主要事業すべてで黒字化を達成したことになる。
なお、会社計画比での上振れ要因は、障がい者雇用支援サービスにおいて農園の区画販売数が430区画と期初計画の292区画を大きく上回り、設備販売(区画販売)や人材紹介等の売上が計画以上に伸張したことが主因となっている。
2018年4月より法定雇用率が2.0%から2.2%※に引き上げられており、従来の身体障がい者中心の雇用だけでは雇用率の達成が難しくなっていることが背景にあるものと思われる。
実際、最近は従業員数の多い大企業からの受注が増加しており、5月の販売数は大口注文もあって200区画と過去最高を大幅に更新した。
※従業員45.5人以上を雇用している企業は、障がい者雇用率が2.2%と定められている(2021年4月までに2.3%に引き上げられる予定)。
常用労働者100人超の企業が法定雇用率を下回った場合は、不足人数分1人当たり月額5万円の雇用納付金が徴収されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)