■事業概要1. 事業内容アエリア (T:3758)の2018年12月期セグメント別売上高構成比は、ITサービス事業20%、コンテンツ事業47%、アセットマネージメント事業33%である。
ITサービス事業では、主力のエアネットと(株)ファーストペンギンがともに安定成長を続けている。
コンテンツ事業では、大ヒットした(株)リベル・エンタテインメントの「A3!」が引き続き好調に推移、M&Aしたサイバードも収益貢献を開始した。
2017年にスタートしたアセットマネージメント事業では既存事業が活発な一方、民泊へ向けた動きも開始した。
近年のコンテンツ事業とアセットマネージメント事業の急拡大ぶりには、目を見張るものがある。
安定収益源だがチャレンジ精神も2. ITサービス事業ITサービス事業では、データサービス事業のエアネットとアフィリエイトプラットフォーム事業のファーストペンギンが主力の2社ということになる。
そのほか、システムソリューションやコンサルティングを行う(株)グレイセルズ、ソーシャルアプリの開発やソーシャルメディアの支援をするサイバー・ゼロ(株)などがある。
(1) エアネットクラウド型メールソリューション「ALL in Oneメール」や飲食店向けクラウド型予約管理システム「リザーブキーパー」などを法人向けに提供している。
データセンターを中心とした事業のため、非常に安定した収益を確保することができる。
サービスは大きくビジネスクラウド、マネージドホスティング、ISP(インターネットサービスプロバイダー)サービスに分けられる。
ビジネスクラウドでは、「ALL in Oneメール」「リザーブキーパー」のほか、No.1グループウェアと言われる「サイボウズOffice」なども扱っており、マネージドホスティングではエアネット独自のオンラインストレージサービスを搭載した「WEBooth(ウェブース)」を提供している。
そのほかISPサービスではドメイン登録などのサービスを提供している。
(2) ファーストペンギンアフィリエイトプラットフォーム事業や広告事業、コンテンツ制作・販売、メディア運営、海外貿易事業、海外就職支援事業、国内就職支援事業などを多角的に行っている。
2018年には決済代行事業に新規参入した。
アフィリエイトプラットフォーム事業が主力で、情報商材(情報教材)※1を販売するポータルサイト「infotop」を運営し、業績は高収益で安定している。
「infotop」に登録している販売者・購入者・紹介者は累計200万人以上、販売される商材も6万件を超え、生活に役立つあらゆるカテゴリーを網羅して人気である。
ファーストペンギンが販売者・購入者・紹介者を仲介し、販売者と紹介者の間の売上げや報酬支払の管理、販売者と購入者の間の決済や商品引渡し代行などを担う仕組みになっている。
楽天市場に似たビジネスモデルだと言われるが、「infotop」が情報商材という単一カテゴリーを扱い、商流を管理、紹介者(アフィリエイト※2パートナー)という存在がいるという点で大きく異なる。
※1 情報商材:主にインターネットなどで売買される情報のこと。
語学習得や資産運用、自己啓発など情報自体が商品となっている。
詐欺まがいのものがあると言われるが、同社の場合、厳格な審査をしているため、そうした販売者が紛れ込む余地は非常に小さいと言える。
※2 アフィリエイト:ブログやメルマガなどで商品を紹介し、そこから購入に至ると、販売者から報酬がもらえる広告手法のこと。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)