ドル/円
正午現在 82.22/24 1.3618/22 111.99/01
午前9時現在 82.22/24 1.3571/76 111.60/64
NY17時現在 82.17/22 1.3583/90 111.49/54
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[東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ
変わらずの82円前半。米雇用統計発表後の乱高下を通過したドルは、輸出の売りで弱含
む場面もあったが、高止まりする米長期金利を背景に底堅い展開となった。ユーロは対円
での実需の買いも手伝って1.36ドルを回復して上値を伸ばした。
仲値が小幅な余剰と予想されたこの日は、輸出の小規模な売りを受け、ドルは一時
82.16円まで弱含んだ。その後は82.20円を中心とした狭い値幅の取引となった。
市場では「スーパーボールを観戦している人が多いので、商いは閑散」(外銀)との声も
出ていた。スーパーボウルは、米プロフットポール、NFLの王座を決めるもの。テキサ
ス州アーリントンのスタジアムで行われている。
高止まりする米長期金利はドル/円の下支え要因となった。
米長期金利の指標となる10年物国債利回り
のニューヨーク終盤から若干低下したものの、レベルは昨年5月以来9カ月ぶり高水準。
市場では、「米10年債利回りは4%を目指す方向」(外国証券)との見方も出てきてお
り、ドル/円相場の支援要因とみなされている。
FF金利先物2012年1月限
来年年初までに1度は利上げが実施されるとの見方を示している。同1月限は1月末に
99.685で、利上げをほとんど織り込んでいなかった。
1月の米雇用統計は、失業率が予想以上に低下した一方、非農業部門雇用者数の増加幅
が予想を下振れたが、市場は失業率に反応した。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)
議長は9日に議会証言を予定しているが、「1月の雇用統計を受けて雇用判断や政策方針
を変えることはないだろう。3日に示した、失業率が一段と正常な水準に戻るまでには数
年を要する、との判断を踏襲するとみている」とみずほコーポレート銀行マーケット・エ
コノミスト、唐鎌大輔氏は言う。
「ただ、議会に向けては、金融政策の正常化に向けた方向感を示さなければならない立
場であり、量的緩和第2弾(QE2)は現在の予定分で十分とするなど、QE2は拡大し
ないことを示唆する可能性はある。ドル/円は、雇用統計を受けた82円半ばがかなり上
限に近いとみているが、議会証言でのQE2拡大なしとの期待が出た場合でも、83円が
せいぜいだろう」と唐鎌氏は言う。
<ユーロ、新興国>
市場では、エジプト情勢や食料価格の高騰を背景に、新興国市場の上場投資信託(ET
F)から大量の資本流出が起きていることが話題を呼んでいる。
「ヘッジファンドは依然ユーロ・ロングをキープしている。中東情勢の混乱で、新興国
から引き揚げたマネーの一部はユーロに流入しているとみる」(外銀)という。
ブルームバーグによると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチは4日付
リポートで調査会社EPFRグローバルの集計データを引用し、同週の新興国株価指数に
連動するETFからの資金流出が46億ドル(約3781億円)に上ったと指摘した。す
べての新興国市場株式投信からの資金流出は72億ドルと、2008年1月以来最大だっ
た。
この日は日本時間夕刻に、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演を控えており、
利上げが遠のいたと見られているユーロ圏の経済金融情勢について、総裁がどのような発
言をするか注目されている。 トリシェ総裁は3日の記者会見で、「われわれの金融分析
は、中・長期的インフレ圧力が引き続き抑制されることをしめしている。インフレ期待は
インフレ率を中期的に2%をやや下回る水準で維持するというわれわれの目標に沿って、
引き続きしっかりと押さえられている」、「全体的に物価の安定は中期的に維持されると
予想している」と述べた。発言は前回の内容を踏襲したもので、インフレに対して一段
と警戒感を強めることはしなかったため、ユーロ売り材料となった。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月1日までの
週)によると、ドルの売り越しは10月19日以来の、ユーロの買い越しは10月26日
以来の水準に拡大した。
CFTCとロイターの算出によると、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、
豪ドルに対するドルの売り越し額は249億ドルで、前週の182億ドルから増加した。
豪ドル
比0.2%増となり、市場予想の同0.5%増を下回ったため。朝方の高値は
1.0144米ドルだった。豪ドルは指標直後に軟化したが、その後は反発し、正午時点
で1.0135/45米ドル付近の気配となっている。
(ロイターニュース 森佳子)