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東京外為市場・正午=ドル82円前半、米長期金利高止まりで底堅い

発行済 2011-03-01 19:19

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   82.22/24  1.3618/22  111.99/01 

午前9時現在 82.22/24  1.3571/76  111.60/64

NY17時現在 82.17/22  1.3583/90 111.49/54

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 [東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ

変わらずの82円前半。米雇用統計発表後の乱高下を通過したドルは、輸出の売りで弱含

む場面もあったが、高止まりする米長期金利を背景に底堅い展開となった。ユーロは対円

での実需の買いも手伝って1.36ドルを回復して上値を伸ばした。

  

 仲値が小幅な余剰と予想されたこの日は、輸出の小規模な売りを受け、ドルは一時

82.16円まで弱含んだ。その後は82.20円を中心とした狭い値幅の取引となった。

市場では「スーパーボールを観戦している人が多いので、商いは閑散」(外銀)との声も

出ていた。スーパーボウルは、米プロフットポール、NFLの王座を決めるもの。テキサ

ス州アーリントンのスタジアムで行われている。

 

 高止まりする米長期金利はドル/円の下支え要因となった。

 米長期金利の指標となる10年物国債利回りは3.6377%付近で4日

のニューヨーク終盤から若干低下したものの、レベルは昨年5月以来9カ月ぶり高水準。

市場では、「米10年債利回りは4%を目指す方向」(外国証券)との見方も出てきてお

り、ドル/円相場の支援要因とみなされている。

 FF金利先物2012年1月限は4日に99.550まで下落し、市場参加者が

来年年初までに1度は利上げが実施されるとの見方を示している。同1月限は1月末に

99.685で、利上げをほとんど織り込んでいなかった。

 

 1月の米雇用統計は、失業率が予想以上に低下した一方、非農業部門雇用者数の増加幅

が予想を下振れたが、市場は失業率に反応した。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)

議長は9日に議会証言を予定しているが、「1月の雇用統計を受けて雇用判断や政策方針

を変えることはないだろう。3日に示した、失業率が一段と正常な水準に戻るまでには数

年を要する、との判断を踏襲するとみている」とみずほコーポレート銀行マーケット・エ

コノミスト、唐鎌大輔氏は言う。

「ただ、議会に向けては、金融政策の正常化に向けた方向感を示さなければならない立

場であり、量的緩和第2弾(QE2)は現在の予定分で十分とするなど、QE2は拡大し

ないことを示唆する可能性はある。ドル/円は、雇用統計を受けた82円半ばがかなり上

限に近いとみているが、議会証言でのQE2拡大なしとの期待が出た場合でも、83円が

せいぜいだろう」と唐鎌氏は言う。

 

 <ユーロ、新興国>

 

 市場では、エジプト情勢や食料価格の高騰を背景に、新興国市場の上場投資信託(ET

F)から大量の資本流出が起きていることが話題を呼んでいる。

 「ヘッジファンドは依然ユーロ・ロングをキープしている。中東情勢の混乱で、新興国

から引き揚げたマネーの一部はユーロに流入しているとみる」(外銀)という。

  ブルームバーグによると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチは4日付

リポートで調査会社EPFRグローバルの集計データを引用し、同週の新興国株価指数に

連動するETFからの資金流出が46億ドル(約3781億円)に上ったと指摘した。す

べての新興国市場株式投信からの資金流出は72億ドルと、2008年1月以来最大だっ

た。

 

 この日は日本時間夕刻に、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演を控えており、

利上げが遠のいたと見られているユーロ圏の経済金融情勢について、総裁がどのような発

言をするか注目されている。 トリシェ総裁は3日の記者会見で、「われわれの金融分析

は、中・長期的インフレ圧力が引き続き抑制されることをしめしている。インフレ期待は

インフレ率を中期的に2%をやや下回る水準で維持するというわれわれの目標に沿って、

引き続きしっかりと押さえられている」、「全体的に物価の安定は中期的に維持されると

予想している」と述べた。発言は前回の内容を踏襲したもので、インフレに対して一段

と警戒感を強めることはしなかったため、ユーロ売り材料となった。

 

 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月1日までの

週)によると、ドルの売り越しは10月19日以来の、ユーロの買い越しは10月26日

以来の水準に拡大した。

 CFTCとロイターの算出によると、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、

豪ドルに対するドルの売り越し額は249億ドルで、前週の182億ドルから増加した。

 豪ドルは1.0103米ドル付近まで軟化した。12月の豪小売売上高が前月

比0.2%増となり、市場予想の同0.5%増を下回ったため。朝方の高値は

1.0144米ドルだった。豪ドルは指標直後に軟化したが、その後は反発し、正午時点

で1.0135/45米ドル付近の気配となっている。

 (ロイターニュース 森佳子)

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