市場はもはや連邦公開市場委員会(FOMC)の脅威を深刻に受け止めていない。
年初4回の利上げが想定されていたが、現在のところ夏の利上げの確率はほぼなくなった。
イエレンFRB議長は6日の講演で、「条件が合えば緩やかな利上げが適切になる可能性がある」「金利はいずれ段階的に上昇する必要がある」と繰り返した。
しかし、低調となった5月雇用統計に関しては、「失望した」と雇用の鈍化を認め、今後、労働市場を注視していく方針を示し、利上げのタイミングに関しても言及を避けた。
イエレンFRB議長の講演前40%あった金利先物市場での6月の利上げ確率は0%となった。
混合したメッセージにFRBは市場から信頼を失いつつある。
投資家によるFRBのタカ派発言に対する反応も徐々に薄れる。
従ってドルの上昇も鈍くなると見る。
次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は6月14−15日に開催が予定されているが、年内の利上げの可能性を探る上でも会合後の声明やイエレンFRB議長の会見、FOMCの見通しSEP(Thesummary of Economic Projections)が非常に重要となってくる。
最近、多くのFOMCメンバーが米国経済の強さを強調している。
FOMCはできるだけ明るい見解を創出するよう努めているが、逆に信頼を犠牲にする可能性を指摘する投資家もいる。