日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
終値 8615.65 (+5.70) 終値 8640 (+60)
寄り付き 8607.92 寄り付き 8620
安値/高値 8595.85─8665.54 安値/高値 8600─8670
東証出来高(万株) 185953 出来高(単位) 47397
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[東京 28日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は小幅に続伸した。前日の欧米
株高や為替の落ち着きに伴い、日経平均はおおむね8600円台で推移した。ただ、前日
買って上昇した銘柄に利益確定売りを出す動きから上値が抑えられた。序盤はしっかりし
ていた日本たばこ産業(JT)<2914.T>がマイナスに転落。市場では先行き不透明感が後
退していないという。
東証1部騰落数は値上がり1323銘柄に対し値下がり271銘柄、変わらずが60銘
柄。東証1部の売買代金は1兆2327億円となった。
ユーロ圏当局者による欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充に向けた動きを
受け、前日の海外市場に楽観的な見方が広がった。ただ、ギリシャへの次回融資の条件を
めぐり、ユーロ圏諸国の間に見解の相違が出始めていることを伝えるフィナンシャル・タ
イムズ(FT)紙など市場には見極め要因もある。外為市場で円相場が比較的落ち着くな
か、日経平均は9月中間期末の配当落ち分(約67円)を埋める動き。
前場では「リスクオフの動きは短期的にはピークアウトしたとみている。為替が比較的
落ち着くなかで、輸出関連が買い直されているほか、復興関連銘柄にも動きがみられた」
(みずほ証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏)との声が出ていた。一方で「1ド
ル80円割れの円高が3カ月も続くと、企業業績予想の下方修正は意識せざるを得ない」
(カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏)と指摘された。
後場は外部環境にらみの中で欧州などのイベント待ちで、前日終値近辺で小動きとなっ
た。市場では「配当落ち分や前日大引け直前の駆け込み的な買いを考慮すれば堅調ではあ
るが、小口の押し目買いや買い戻し中心。売買高が膨らまずエネルギー不足だ」(準大手
証券トレーダー)との声が出ていた。
日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は高止まりしており、日経
225オプション<0#JNI*.OS>のストライク価格8500円のプット10月限は後場に小
幅上昇した。国内証券の株式トレーダーは「投資家の下値不安は根強く、プットの物色が
続いている」と述べた。また、前日買って上昇した銘柄をどこで売るかを探る展開だった」
と同トレーダーは指摘する。今晩にはフィンランドでEFSFの機能拡充案の採決が予定
されるなど、欧州債務問題に対する不透明感は残り、主力株への積極的な買いは見送られ
やすい展開が続いた。
個別銘柄では、前場に大きく買われたものの後場に売られた日本たばこ産業(JT)
<2914.T>が目立った。政府保有のJT株が売却された場合の自社株買いの規模がそれほど
大きくないとの見方から、利益確定売りが強まったという。また、ダイキン工業<6367.T>
が続伸。2012年3月期連結営業利益は前期を2割程度上回る900億円超になる見通
し、と報じられたことが材料視された。
(ロイターニュース 吉池 威)