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日本トリム Research Memo(9):市場環境が整った今期を「トリムグループ大躍進の起点の年」に

発行済 2015-07-21 16:36
更新済 2015-07-21 17:00
日本トリム Research Memo(9):市場環境が整った今期を「トリムグループ大躍進の起点の年」に
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■2016年3月期 概要 2015年3月期の決算と同時に発表された2016年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比17.7%増の15,100百万円、営業利益が同36.3%増の3,070百万円、経常利益が同24.6%増の3,150百万円、当期純利益が同49.2%増の3,150百万円となっている。
2014年3月期を超えないまでも、15年3月期の落ち込みを一気に取り戻す意欲的な目標と言えよう。
また、日本トリム (TOKYO:6788)は、16年3月期を「トリムグループ大躍進の起点の年」と位置付けている。
健康や美容志向から電解水素水の認知度が高まってきており、ペットボトルや宅配による水の販売が増加している。
同社では、これら電解水素水の購入者が整水器に移るのは時間の問題と考えており、整水器が拡大する市場環境が整ったと判断している。
「大躍進」の言葉で、森澤紳勝(もりさわしんかつ)社長が以前から唱える整水器の販売台数を飛躍的に伸長させていく目標に改めて本腰を入れて取り組む意気込みを示したとも考えられよう。
事業別の売上高予想は、ウォーターヘルスケア事業が前期比18.6%増の14,179百万円、医療関連事業は同4.9%増の921百万円となっている。
ウォーターヘルスケア事業の売上高の主な内訳は、国内整水器販売が前期比24.6%増の9,940百万円、カートリッジの販売が同5.6%増の3,288百万円、海外が同24.9%増の492百万円となっている。
また、国内整水器販売では、DS事業部が同14.5%増の6,415百万円、HS事業部が同7.3%増の1,904百万円、SS事業部が同17.2%増の772百万円、卸・OEMが同91.1%増の2,370百万円となっている。
DS事業部が従来の勢いを取り戻す計画となっている。
また、卸・OEMが特に大きく伸長するのは、新規OEM先が加わることを見込んでいるためである。
医療関連事業の売上高の内訳は、遺伝子関連事業が同36.2%減の88百万円、再生医療関連事業が同12.3%増の804百万円、電解水透析及びMGO測定が同21.8%増の29百万円となっている。
この目標を実現するための戦略及び施策は以下のような内容となっている。
(1)国内整水器販売 直販部門と言われるDS、HS、SSの3事業は、中途採用の拡大による営業員の増員を進める。
人件費の増加は販売効率の向上によって補い、販管費の上昇を抑える。
卸・OEMに関しては、既に説明したように新規3社のOEMのほかに代理店の開拓も進める。
広報の拡大も大きな戦略の柱になる。
特にSHIHOを起用したテレビCMを積極的に流す。
既にゴールデンウィークを挟んだ4月27日から5月10日まで1億円を投入し、全国65局でスポットCMを流した。
これとは別に約1億円でフジテレビの朝のワイドショーに番組提供している。
電解水素水の認知度が上がっているところに広報の強化を行い、整水器への移行に結び付ける。
実際、ゴールデンウィーク後の販売効率は前期までに比べて向上しているようで、今後改めて効果を検証したうえで、有効と判断した場合にはさらに積極的に資金を投入していく。
(2)農業分野 農業用整水器「AG-10」と「AG-30」の本格販売に乗り出す。
大手農業関連メーカーとの提携も視野に拡販を進める。
農業用整水器は1台80〜150万円程度。
同社では、累計で1,000台の販売の早期実現を目指す。
また、還元野菜の販売も拡大する。
大型の施設園芸での栽培を計画している。
加えて、高知県、南国市との提携を強化し、これら整水器と還元野菜に関するデータ収集をさらに進めて行く。
(3)医療関連事業 (a)遺伝子関連事業 最も力を入れるのは、次世代型の遺伝子検査キットの開発である。
今年度中の製品化を目指している。
これは、複数の遺伝子、多くのサンプルを同時に解析できる次世代シーケンサー向けの新製品である。
さらに、新しい遺伝子関連機器や、遺伝子物質の1つであるマイクロRNAの簡便な測定系の開発にも力を入れていきたいとしている。
マイクロRNAに関しては、ガンの新しいマーカーとしての活用が期待されており、そのための技術開発を行う。
(b)臍帯血保管事業 順調に拡大していることから、営業を増やし、拡大を加速させる。
15年3月期の実績でも触れたとおり、再生医療への応用が今後拡大していくことが確実なため、追い風の環境を活かしていく。
(c)電解水透析 小型なうえ、水素の含有量の多い透析用の電解水を作ることのできる装置の開発に取り組んでいる。
また、中国市場への進出も検討する。
中国には約1億2千万人の糖尿病患者がいるとされており、大きな市場と言える。
国内では、電解水素水を糖尿病患者に飲ませることによって症状を改善する臨床試験を開始することを計画している。
(4)海外事業 海外事業も拡大を進める。
特にインドネシアでの事業展開に力を入れる。
同国ではペットボトル・ガロン水を販売しているが、外部への製造委託も始め、販売量を拡大させる。
(5)投資の積極化 今後は、M&Aを始め、成長投資を積極的に行っていく方針を前面に打ち出した。
保有する資金ばかりでなく、金庫株も活用し、投資を行っていく。
ただし、実質無借金経営の方針は堅持し、余剰資金の有効活用の範囲内で行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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