日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
終値 9518.76 +137.70 終値 9520 +170
寄り付き 9337.43 寄り付き 9350
安値/高値 9332.19─9538.35 安値/高値 9330─9540
出来高(万株) 245509 出来高(単位) 99754
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[東京 5日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発。4日ぶりに終値で
9500円を回復した。金利低下メリットを受けるとの期待から保険やノンバンク、銀行
などが上げ幅を広げた。日銀が決定した政策金利の変更を含む追加的金融緩和はサプライ
ズと受け止められ、円安・株高が進んだ。円安が一服すると株高も一服という為替次第の
展開に変わりはないが、海外勢が日銀の緩和策を評価すれば出遅れ感の強い日本株も海外
株にキャッチアップするとの期待が強まっている。
東証1部騰落数は値上がり1007銘柄に対し値下がり518銘柄、変わらずが137
銘柄。東証1部の売買代金は1兆5740億円。
大和証券投資信託委託・調査部シニア・ストラテジストの長野吉納氏は日銀の追加緩和
策について「利下げ」と「バランスシート拡大」で非常にわかりやすく、特に海外投資家
にアピールしそうだとみている。国内勢がリバランス中心の投資姿勢を崩さないなかで、
厚い戻り売りをこなし上値を追うには海外勢の買いが欠かせない。海外勢は材料に翌日以
降に反応することが多いため、あす以降の投資動向に注目が集まっている。
ただ、このまま円安・株高トレンドに乗れるかは米金融緩和観測の行方次第でもある。
日米金融政策のバランスに為替動向が大きく影響されているためだ。
FRBに先んじて追加緩和を行った日銀だが、FRBの追加緩和観測がさらに強まれ
ば、円高圧力が再びかかることになる。「日銀はできる限りのことはやったが、FRBが
次のFOMCでほぼ確実に追加緩和する(日銀以上にバランスシートを拡大する)ので、
効果は相殺されそうだ」(三井住友銀行市場営業推進部チーフストラテジストの宇野大介
氏)という。
一方、マネックス証券・チーフ・エコノミストの村上尚己氏は「市場では11月のFO
MCで追加緩和策がとられるとの見方が多いが、8日発表の9月米雇用統計などで数字が
上振れすれば、米追加緩和観測が後退し、円安トレンドに転換、日本株にもポジティブな
影響を与えるとの期待もあろう」との見方を示している。
8日発表の9月米雇用統計の注目度がますます高まってきた。
個別銘柄では、スマートフォン関連がにぎわった。
KDDI<9433.T>が大幅高。4日にグーグル
ドを搭載したスマートフォン(多機能携帯)を11月下旬以降に発売すると発表したこと
が材料視された。個人用携帯としては、同社で3機種目のスマートフォンとなる。名称は
「IS03」でシャープ<6753.T>製。KDDIはスマートフォン開発で立ち遅れが目立っ
ていたが、新機種投入で巻き返しが期待される。ただ「この機種は全キャリアから発売さ
れる可能性があり、KDDIのみの差別化要因にはなりにくい」(バークレイズ・キャピ
タル証券)との指摘もある。
NTTドコモ<9437.T>も高い。5日、韓国サムスン電子<005930.KS>製の多機能携帯
(スマートフォン)「ギャラクシーS」を10月下旬に発売すると発表しスマートフォン
拡販への期待感が高まった。
一方、競争激化を懸念されソフトバンク<9984.T>は下落した。
ファーストリテイリング<9983.T>が切り返しプラス圏で引けた。9月の販売が大きく落
ち込んだことが明らかになり、売りが先行したが、秋物販売がさえないのは織り込み済み
としてアク抜け感が台頭。厳冬による冬物販売への期待で底堅い動きになった。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)