ドル/円
正午現在 76.71/72 1.3607/10 104.37/42
午前9時現在 76.70/73 1.3632/35 104.54/59
NY17時現在 76.66/71 1.3647/51 104.53/58
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[東京 12日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほ
ぼ同じ76円後半。スロバキア議会が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充案
を否決したものの、ユーロは荒れることなく落ち着いた値動きだった。仲値前に日本の輸
出企業によるユーロ売りが出て、やや下落した程度だった。手掛かり材料のないドル/円
は、一段とこう着感を強めた。
前日の欧州市場終盤に欧州連合(EU)などが80億ユーロのギリシャ向け融資実行で
合意し、値を持ち直していたユーロは、ニューヨーク市場終盤にスロバキア議会がEFS
F拡充案を否決したたことで上げ幅を縮小した。しかし下げは限定的で、その流れを引き
継いで始まったアジア市場でも売り込まれることはなかった。
「(スロバキアの野党は)拡充案そのものに反対したわけではなく、国内の政争の具と
して使っただけという感がある。(可決が)少し遅れる程度で大きな波風にはならず、市
場もあまり材料視していない」(バンクオブアメリカ・メリルリンチのFXストラテジス
ト、藤井知子氏)との声が聞かれた。
この日は日本の輸出勢がユーロを売って円を買う動きが見られ、ユーロ/円は仲値にか
けて104円前半まで小緩んだ。対円でのユーロ売りが波及し、ユーロ/ドルも1.36
ドルを割り込む場面があった。
ユーロは10日に大きく買い戻された後、その日の高値圏のまま推移している。独仏首
脳が合意した欧州金融機関の資本増強に向け、具体策を待つムードが広がっているほか、
フランス・ベルギー系銀行デクシアの破綻が決まり、「処理にはユーロが必要になるだろ
うから、対外資産の売却などリパトリ(本国への資金還流)観測が出ている面もあるのだ
ろう」(藤井氏)という。
ドル/円は正午までの値幅がわずか8銭。日本の8月機械受注や、米上院が雇用対策法
案を否決といったニュースにも反応しなかった。外国為替証拠金取引(FX)の関係者に
よると、個人の注文は76.50─65円には買いが、76.70円から上には売りが厚
みを増しており、動きづらそうだという。
(ロイターニュース 久保 信博)