[パリ/フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中央銀行総裁は10日、中立金利まで「緩やかながら持続的」な利上げが9月から行われると述べた。
BFMビジネスラジオに対し、中立金利は「1%と2%の間のどこか」であり、ECBはその水準を超えるかもしれないとした。
ECBは9日、量的緩和措置である資産購入プログラム(APP)を7月1日に終了すると表明するとともに、7月から利上げを開始する方針を示した。また、インフレが鎮静化しなければ、9月に大幅な利上げを行う意向も示した。
ビルロワドガロー氏は「欧州の中でもフランスはインフレがあまりにも高水準で広範となっている」と指摘した上で、「(ECBは)インフレ率を2%に引き下げることに強くコミットしている」と語った。
ドイツ銀行はECB理事会後に出したノートで利上げ予想を変更。基本シナリオは「7月に25ベーシスポイント(bp)、9月に50bp、10月に50bp、12月に25bp」とした。
ECBの利上げによりユーロ圏諸国の間で金利差が拡大するリスクが高まる。ラガルドECB総裁はこうした分断の緩和に取り組み、必要に応じて新たな手段を導入することが可能と説明したが、詳細は明らかにしなかった。
9日のECB理事会後、南部欧州の債券が売られ、イタリア10年物国債と独10年債の利回り差は235ベーシスポイント(bp)と2年ぶりの大きさとなった。
ビルロワドガロー氏は「このような分断を防ぐわれわれの意思について、市場も含めて誰もわずかな疑問でも抱くべきでない」と述べた。ECBは必要に応じて措置を講じることができると指摘した。