ドル/円
午後3時現在 81.92/97 1.3756/58 112.70/75
正午現在 81.86/90 1.3754/56 112.61/64
午前9時現在 81.90/93 1.3765/71 112.75/81
NY17時現在 81.83/87 1.3775/79 112.78/83
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[東京 2日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点か
ら小幅強含み、81円後半で推移している。海外市場での下落が一服し、水準感からの実
需の買いを支えに底堅い推移になった。一方で、欧米株安がアジア株に連鎖し、クロス円
を圧迫したことでドル/円の上値も限られ、81円後半でレンジ取引になった。
海外市場では欧米の株安を受けたリスク回避地合いのなかで82円台を維持できず、
81.78円まで売られた。サウジアラビアで聖職者が拘束されたと伝えられたことから
地政学的リスクが意識された。
しかし、東京市場では「水準感から実需の買いが入った」(大手銀行)ことで底堅い動
きになった。一方で、米国株安が日経平均<.N225>などアジア株に連鎖、地政学的リスク
もくすぶっていることで、クロス円はじりじり下落した。この円買いが波及してドル/円
は上値も押さえられ、81円後半での狭いレンジ取引になった。
クロス円のほか、ユーロ/ドル、豪ドル/米ドルなど、リスクオンで買われた通貨ペア
は総じてじり安となったが、アジア時間の下落ピッチは緩やかなものにとどまった。
一方、ニュージーランド(NZ)ドル/米ドルが売られて一時0.7385ドルまで下
落、2カ月半ぶりの安値をつけた。ニュージーランド首相が政策金利の引き下げを歓迎す
る姿勢を示したとの報道がきっかけになった。
<地政学的リスク意識しリスクオンの巻き戻し>
地政学的リスクをにらんだリスクオフの流れのなかで、ユーロ/ドルは1.3744ド
ルまでじり安となり、海外高値(1.3855ドル)からは100ポイント以上の調整に
なった。
ただ「中東懸念を本格的に織り込んでいるというより、本質的には前日までのリスクオ
ンで高値圏まで買い上げたあとの調整の動き。欧州中銀(ECB)理事会を明日に控えて
利上げ期待からロングに傾け過ぎた分のポジション調整になっている」(大手銀行)とい
う。ユーロ/ドルは今年の高値(1.3862ドル)がレンジ上限として意識されており、
今週はこの水準の手前で伸び悩む展開を繰り返してきた。
レンジ上限を抜けて上値を試すのか、これまでのレンジのなかに戻るのか、ユーロ/ド
ルの分岐点に差し掛かっているが「ECB理事会と米雇用統計をみなければ決められない」
(大手銀行)という。
このため、リスクオフにはまだ距離があるという。「1.35ドル付近になれば、原油
供給リスクを本格的に織り込む動きといえるが、今はまだリスクオンの巻き戻しの範囲の
動きだ」(クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジスト、深谷幸司氏)との声も聞か
れた。
ECB理事会をめぐっては、1月のトリシェ総裁によるインフレ警戒発言で市場が一気
に利上げ期待を強めた後、2月は利上げ期待を織り込み過ぎて調整を余議なくされた経緯
があり、今回の理事会に向けては「ロングでぱんぱんになるほど前のめりにはならない」
(大手銀行)との声が聞かれる。
<ADP報告のロイター予想は17万5000人増>
きょうは2月の米雇用統計の前哨戦である2月ADP全米雇用報告が発表される。ロイ
ター予想では民間部門雇用者数は17万5000人増加の見通し。
住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は「事前予想より少なければ、
現在の地政学リスクによるポジション手仕舞いの方向に相乗りする形でリスクオフになる
だろう。一方、予想より多かった場合は、地政学リスクに阻まれてリスクオンの反応は弱
まりそうだ」とみている。
もっとも、このところ、ADPと雇用統計の動きがばらばらのため「最終的には雇用統
計で結論を出すことになる」(瀬良氏)という。
(ロイターニュース 松平陽子)