[ワシントン 1日 ロイター] - 米国はベラルーシの7人の当局者について、8月9日の大統領選での不正や平和裏に実施された抗議活動への暴力に関与したとし、制裁を課すことを検討している。米国務省の高官が1日、ロイターに明らかにした。
米国は、ロシアが武力を用いてベラルーシに介入した場合、同国に対する制裁も検討する可能性があるという。
ベラルーシでは、独裁的な体制を敷くルカシェンコ大統領の6選に抗議する大規模なデモが続いている。
ロシアのプーチン大統領は先週、必要となればルカシェンコ氏を支援するため、予備警察隊を設置したと明らかにした。ただ、当面は配備の必要はないと説明した。
欧米諸国の制裁圧力にも関わらず、ルカシェンコ氏は大統領選での不正を否定し、退陣する意向はないとしている。
米高官は、制裁対象とする可能性がある7人のベラルーシ当局者を特定していない。一方、ルカシェンコ氏については、既に米国の制裁対象になっていると指摘した。
同高官は、7人への制裁について米財務省と手続きを進めており、数日以内に制裁について公の場で議論する可能性があると指摘した。
その上で、選挙での不正と集会や言論の自由を行使する抗議活動者への暴力に関与した者は、一定の責任を負う必要があるということを示すための制裁だと説明した。
7人のうち5人は既に、リトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国による制裁の対象になっているという。
バルト3国は31日、ベラルーシのルカシェンコ大統領とその他29人の当局者に対し、渡航を禁止する制裁措置を発動した。