ドル/円
正午現在 84.49/54 1.2684/85 107.19/22
午前9時現在 84.12/15 1.2672/76 106.60/65
NY17時現在 84.15/19 1.2688/90 106.74/79
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[東京 1日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、
小幅ドル高の84円半ば。ドルは月初の資本フローに支えられジリ高の展開となった。オ
ーストラリアの第2・四半期国内総生産(GDP)が予想を上回る伸びを示したこと、中
国の購買担当者指数(PMI)が堅調だったことや、日経平均が小幅ながらもプラス圏を
維持していることなどを好感し、クロス円は全般に反発基調となった。
市場では、日銀によるドル買い/円売り介入警戒感が高まっているが、外為証拠金取引
では、投資家がドル/円、クロス円でのドルや外貨買い/円売りを拡大している。
正午前に、小沢一郎前民主党幹事長が「急激な円高には市場介入を含むあらゆる方策を
果断に実施する」、「急激な円高に対処するため、予備費など2兆円を直ちに全額執行す
る」と述べたことが伝わったことも、ドル/円相場の支援材料となったとの意見も聞かれ
た。
ドルは朝方一時84.02円を付けたが、仲値を経て上値を伸ばし一時84.58円ま
で上昇した。仲値を挟んで、資本筋からのドル買いが見られたという。「特殊案件で月初
のドル買いが仲値後にあり、ドル上昇を誘った」(証券会社)という。
<介入警戒感>
市場では介入警戒感が高まっているが、市場の一部では、介入の準備がまだ整っていな
いとの見方がある。
「欧米諸国は日銀の単独介入を黙認することさえ嫌がっているのではないか。そうした
中、日本が単独で実施したとしても、市場に(ドルの)売り場を提供するだけで、トレン
ドを変えることはできないだろう」(FX会社マネージャー)という。
「最近の市場では、ドル高・円高局面と、ドル安・円高局面を繰り返し、欧州通貨が最
も割安となっている。ドルが全面安になっていない状況ではなおさら、ドル買い/円売り
介入しにくいだろう」(同)という。
また、「単独介入をどれほど続けられるかも疑問だ。95年当時も協調的ドル買い介入
が入るまでの期間、日本が単独で介入した分は無駄ガネに終わった」(同)。
<クロス円>
ユーロは107円前半で、朝方の安値106.60円から上昇。豪ドル/円も75円前
半から76円台前半まで上値を伸ばした。
第2・四半期の豪GDPが前年比3.3%増と、予想中央値の2.9%増を上回ったた
め。前期比では1.2%増で、予想中央値の0.9%増を上回った。
豪ドルはGDPの発表を受けて0.90米ドル台を回復した。
中国物流購買連合会が1日発表した8月のPMIは51.7となり、7月の51.2か
ら上昇した。 ロイターがまとめたエコノミストの予想中央値は51.8だった。 景気の
拡大・縮小の分岐点である50を18カ月連続で上回った。 同指数の最低は2008年
11月の38.8。直近に50を下回ったのは2009年2月。
<証拠金取引>
TFXの「くりっく365」(取引所為替証拠金取引)では、31日時点のドル買い
残高が19万4297枚と、30日の18万9010枚からドル・ロングが拡大した。
対円の12通貨ペアのうち最も残高が大きい豪ドル/円の買い残高は、31日時点で2
5万7897枚で、30日の24万5890枚から増加した。
「豪ドル/円は金利差から下がっても買いが入ってくる。レバレッジ規制が入ったので、
短期の売り買いは減少したが、中長期で豪ドル買いをする個人が多い」(FX会社マネー
ジャー)という。
(ロイター 森佳子記者)