[東京 23日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル
午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円 高の112.27/29円の気配だった。米連邦準備理事会(FRB)高官らによるタカ 派的な発言を口実とした、ドルショート/円ロングポジションの巻き戻しの動きが支えに なったもよう。ただ、ユーロ/円など欧州通貨の対円での下落の影響もあり、ドル/円は 上値の重さも意識された。
午前の取引では、輸入企業のドル買い/円売りが流入しドルの下値を支えた。しかし 、ユーロ/円など欧州通貨の対円での下落の影響もあり、ドル/円の上値は重くなり、き わめて狭いレンジでの推移に収まった。 午後は112.40円付近にジリジリと持ち直した。きょうは国内勢から期末のリパ トリエーション(資金の本国還流)の動きも出て、本来であればドル/円には下押しがか かりやすい時期の上、株価が小安く推移し、米原油先物も上値の重い動きとなった中でも ドル/円は底堅く、違和感を感じる向きもいた。
FRB高官らによるタカ派発言を受けた米早期追加利上げへの思惑が支えになってい るとの見方もあるが、これらを材料とした米金利の戻りの動きも足元では一服。米国など では連休を控えていることもあって、むしろ「FRB高官らのタカ派発言を口実に、これ まで積み上げてきたドルショート/円ロングの一部を調整しておきたい人が出てきている ようだ」(別の国内金融機関)との声が聞かれた。
ユーロは、前日ベルギーのブリュッセルで起きた同時爆発攻撃後に付けた安値から切 り返して東京市場を迎えたが、じり安の展開となった。ユーロ/円は高値126.05円 から125.79円まで下落、ユーロ/ドルは1.1223ドルから1.1204ドルま で下落した。
市場では、欧州の地政学リスクが今後も広がれば、安全資産としての円が見直され、 グローバルな投資マネーが円に流入するとの期待があるという。ただし、こうした投資は 円売りヘッジを伴わない可能性もあり、今年度の海外勢による日本株投資(円売りヘッジ 付き)とは異なるパターンになるかもしれないという。