ドル/円
午後3時 83.29/33 1.3590/94 113.20/24
正午現在 83.18/21 1.3592/94 113.08/11
午前9時現在 83.05/08 1.3681/83 113.64/68
NY17時現在 83.13/18 1.3675/81 113.65/68
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[東京 22日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
に比べ小幅高の83円前半。アジア時間の外為市場はリスク回避でドルと円が買われる一
方、円は日本国債の格付け見通し引き下げを受けて対ドルでは軟化した。ユーロは売り優
勢、ニュージーランドドルは地震で急落した。
この日はリビア情勢の混乱でリスク資産から資金が避難し、ドルや円が受け皿となっ
た。主要6通貨に対するドルの動きを示すドル指数は78台を回復し、円も対ユーロや豪
ドルで買われた。クロス円の下落が影響し、ドル/円は序盤に82.84円まで下げた。
しかし格付け会社ムーディーズが日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティ
ブ」に引き下げると、ドル/円は急反発。一時的に83円を割り込む場面もあったが、ド
ルがユーロに対して買われた影響もあり、午後は83円前半を維持した。
「(午前中のドル/円は)どこまで下がるのかという恐怖感にさいなまされていた。ム
ーディーズの発表がなければストップを巻き込んでもっと下落していた可能性があった」
(外為どっとコム総合研究所の植野大作社長)との声が聞かれた。
<ECBタカ派姿勢でもユーロ買われず>
ユーロは売り優勢で、対ドルではきょうの高値から100ポイント以上下げる場面も
あった。中東情勢の混乱はこれまでスイスフラン買いを誘発し、同じ欧州通貨のユーロも
つられて買われてきた。しかし、この日は欧州の債務問題に対する懸念が意識され、ユー
ロはドルに対しても円に対しても売られた。ユーロ/ドルは1.3563ドル、ユーロ/
円は112.87円まで下値を切り下げた。
「ECB(欧州中央銀行)があれだけタカ派発言をしたわりにユーロ買いになっていな
いのは重大なサイン。市場は今までユーロ圏に対して楽観しすぎたように思う」(バンク
オブアメリカ・メリルリンチのFXストラテジスト、藤井知子氏)との声が出ていた。
ECB首脳は21日、インフレへの警戒感をあらためて表明した。シュタルク専務理事
は「ユーロ圏物価の中期見通しには上振れのリスクがある」と指摘。「最新の経済動向を
見ると、既に緩和的なECBの金融政策は、より一層緩和的になった、と言える」との見
方を示した。スマギ専務理事は、物価上昇は懸念要因であり、経済は食料やエネルギー価
格の上昇に慣れなければならないのかもしれない、と指摘した。
一方でユーロは悪材料も多く、スペインの貯蓄銀行の抱える問題資産が1000億ユー
ロにのぼる可能性が明らかになったほか、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)によ
る国債購入案についてドイツ連銀が反対を表明した。アイルランドの総選挙が25日に控
えていることも、ユーロを買いにくい一因となっている。
豪ドルはリスク回避地合いから売られ、対米ドルで1.0009米ドル、対円で
83.35円まで下落した。隣国のニュージーランドで発生した地震も豪ドルを圧迫し
た。ニュージーランドドルは地震で下げ止まらず、0.7488米ドルまで下値を切り
下げ、約2カ月ぶりの安値をつけた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)