ドル/円
午後3時現在 91.27/32 1.2275/80 112.06/11
正午現在 91.28/29 1.2272/75 112.02/05
午前9時現在 91.31/33 1.2298/00 112.30/33
NY17時現在 91.36/41 1.2301/07 112.53/57
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[東京 17日 ロイター]午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点とほぼ
変わらずの91円前半。市場では、明日公表される6月月例経済報告で景気の基調判断が
上方修正される見通しが話題にのぼり、ドル/円の上値を抑えたとの指摘も出ていた。ユ
ーロ/ドルは軟調な株価をにらんでユーロ/円の売りが先行したため、一時海外の安値に
迫ったが、中国株が堅調だったこともあり、ユーロ/円、ユーロ/ドル共に下げ渋った。
午後3時までのドル/円のレンジは91.19―91.44円と極めて狭いが、「下値
では機関投資家の買い需要がみられた」(邦銀)という。ユーロ/円は高値112.58
円から一時111.85円付近まで下値を伸ばした。「朝方、輸出企業と投信の売りがあ
った」(証券会社)という。
<ドル/円>
ドル/円相場は方向感に乏しい推移が続いたが、市場では「昨日の夕方から今朝にかけ
て、月例経済報告で政府が景気の『回復』を宣言するとの見通しがディーラー間で話題に
のぼったことが、ドル/円の上値抑えた原因の一つ」(証券会社)との指摘も聞かれた。
「日本の景気動向が為替市場で話題になるのは極めて珍しいこと」(大手銀)だという。
6月の月例経済報告は18日に公表される。
関係筋によると、政府は6月の月例経済報告の基調判断を上方修正する見通しで、5月
まで「景気は着実に持ち直してきている」としてきた基調判断を上方修正し、「回復」の
文言を盛り込むという。月例経済報告に「回復」の表現が入るのは、08年7月以来1年
11カ月ぶり。景気がリーマンショック以前の状況に復帰し、事実上の「景気回復」宣言
となる。
詳細な文言は詰めているが、2010年1─3月期実質国内総生産(GDP)2次速報
値の上方修正を踏まえた景気認識について荒井聡国家戦略・経済財政担当相は「民需が底
堅く、世界経済も緩やかに回復しており、景気は緩やかな回復基調が続く」と述べており、
こうした認識を踏襲する見通し。ただ、緩やかなデフレ状況に変化はなく、欧州の財政危
機問題の広がりなど先行きリスクも強まっており、雇用情勢や世界経済動向などを引き続
き注視していく姿勢だ。
また、ドル/円の上値の重さについて、米長期債金利の低位安定を指摘する声も聞かれ
た。
米10年国債利回り
3.2640%から小幅に低下している。「最近の傾向として、株価が上昇しているわり
には、米長期金利が上昇しない。理由として考えられるのは、投資家から質への逃避的な
買いが入っているためだろう。ドル/円相場は引き続き米長期金利との相関が高いため、
今後(米長期金利が)上昇するようであれば、ドル/円にも上値余地が出てくるだろう。
逆に低下するようなら、ドル/円の上値が重くなる」とJPモルガン・チェース銀行のシ
ニアFXストラテジスト棚瀬順哉氏は予想する。
<ユーロ>
海外市場では、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)・米財務省がスペイン向け
に2500億ユーロの融資枠を検討しているとの地元紙報道を受けてユーロが一時売られ
たが、この日のアジア時間には、ユーロ/ドルは方向感の定まらない推移となった。
「ユーロのショートカバーに乗って、ここ数日ロングポジションもたまってきている。
このまま1.25ドルに向かうのか、1.21ドル程度まで調整するのか、市場は気迷っ
ている。ただ、これまで押し目なしに上昇しており、1.21ドル台までの調整があって
もおかしくない。いったんロングが整理されれば、新たなレンジ感を形成することができ
る」(大手銀行)という。
スペイン問題については「現在のところ、スペインの資金繰りに問題がなければユーロ
売りにはなりにくい。市場の関心は、ソブリン問題から景気腰折れや株価下落のリスクに
移っている。米住宅着工に反応したのはそのためだ」(同大手銀行)との声が出ている。
また「半期末にあたる6月末をにらんで、ファンドなどが売り込んだユーロなどの買い戻
しを先行させている。スペイン救済案も予想されていなかったわけではなく、サプライズ
感はない」(国内金融機関)という。
<英ポンド>
英ポンド/ドル
ぶり高値となる1.48ドル半ばへ上昇したが、きょう午前のアジア市場にかけて軟調展
開が続いた。高値からの下げ幅は170ポイントに達した。市場では、英財務相が前日に
発表した金融規制改革案をめぐる懸念が、英ポンド売りの手掛かりとして指摘されている。
オズボーン英財務相は16日、金融サービス機構(FSA)を現在の形で存続させず、
イングランド銀行(英中央銀行)に多大な監督権限を移すことを柱とする金融規制改革案
を発表した。中銀内部に新たな金融政策委員会(Financial Policy Committee:FPC)
や独立した銀行委員会を創設、この委員会がリテール銀行と投資銀行の分離が必要かを検
討する。
英銀行協会(BBA)のナイト最高経営責任者(CEO)は「制度変更が金融システム
に混乱をもたらすことなく迅速かつ適切に行われるよう、銀行業界は政府に協力する」と
の意向を示している。
英ポンドは対ユーロでも下落。きょう午前の取引で0.83ポンド前半と2週間ぶりユ
ーロ高/英ポンド安水準をつけた。
(ロイター 森佳子記者)