[ニューヨーク 8日 ロイター] 9日から始まる週の米国株式市場では、6日に発表された米雇用統計で失業率が10%を上回ったことを受けて懸念が広がるなか、消費者動向を探るため小売企業の決算に注目が集まる見通し。
ウォルマート・ストアーズ
ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏は「消費者動向に関する材料を得る最善策は、消費者に商品を売っている企業から見解を聞くことだ」と語った。
投資家は景気回復の力強さを見極めようとしており、米株市場は3月の安値から50%回復しているものの、最近失速している。
ディスカウント小売りのウォルマートとコールズ
トムソン・ロイターがまとめたアナリスト調査によると、ウォルマートの1株利益は0.81ドルと、前年同期の0.77ドルから増加する見通し。
ウォルマートとコールズはいずれも12日に決算を発表する。
一方、高級百貨店の決算はディスカウント小売りチェーンと比べて見劣りするとみられている。メーシーズ
10月の米小売各社の既存店売上高は、半数以上の小売りチェーンで市場予想を下回り、年末商戦に向けた回復の広がりへの期待をくじく内容となった。
ブックバー氏は「世界経済が確実に改善していることは分かっていることだが、米個人消費は依然として圧迫されている」と指摘した。
9日からの週には、発行総額が過去最大の810億ドルとなる財務省の四半期定例入札(クオータリー・リファンディング)が予定されている。最近の入札結果は好調だったものの、国債の需要が低下していることが示された場合、市場の波乱要因になる可能性がある。
この週は経済指標の発表は比較的少なめだが、13日には9月の貿易収支、10月の輸出入物価、11月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が発表を控えている。
トムソン・ロイターがまとめたエコノミスト調査によると、9月の貿易収支は316億ドルの赤字となり、前月の307億1000万ドルから赤字幅が拡大する見通し。
10月の輸入物価は1%上昇、輸出物価は0.2%上昇すると予想されている。
11月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は71.0となり、10月の確報値70.6から小幅上昇する見込み。
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