■今後の見通し2. 2020年3月期以降の考え方2020年3月期の業績について、弊社の考え方は前回レポートで述べたところから大きな変更はない。
弊社では、2020年3月期の業績は中長期のトレンドラインに沿う形で増収増益になると予想している。
主力の製造装置事業は、依然として液晶を初めとするFPD製造装置が主体で半導体分野のビジネスはごく限定的とみられる。
しかし中国の液晶パネル設備投資は高水準が続くとみられるためそれによって収益を伸ばすと期待される。
米中貿易摩擦の影響についてはこれまでのところは出ておらず、2020年3月期にかけても影響はないとヘリオステクノホールディング (T:6927)ではみている。
ランプ事業は前期比横ばい圏での推移とみているが、人材サービス事業は2019年3月期同様派遣者数の増加やテクノリンクのフル寄与によって増収になってくるとみている。
2020年3月期の注目点の1つは同社が特に力を入れている半導体分野への進出だ。
M&Aや事業提携を通じての進出とならざるを得ないため、進捗について楽観はできない。
進捗がないこと以上に最悪なのは前のめりになりすぎて判断を誤ることであり、同社には慎重な交渉を期待したい。
製造装置の新製品では試験機という形で販売が実現する可能性もあるとみている。
ただしこの点も、収益貢献は量産機としての販売がスタートしてからになるとみられ、それは2021年3月期以降と考えておくべきだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)