ドル/円
午後3時現在 77.08/09 1.3537/38 104.32/36
正午現在 77.49/51 1.3592/94 105.31/36
午前9時現在 77.47/48 1.3582/83 105.21/25
NY17時現在 77.55/61 1.3651/55 105.92/97
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[東京 12日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
から下落し、77円前半で推移している。朝方から77円半ば付近でもみあったあと、
午後に入ってユーロ/円の急落をきっかけに一時77円を割り込んだ。シュタルク欧州中
銀(ECB)専務理事の辞任を受けたユーロ売りトレンドが続いており、ユーロ/円は
104.10円まで売られて10年ぶり安値をつけた。ユーロは対ドルでも売られ、
1.35ドルを割り込んで7カ月ぶり安値をつけた。
9日にシュタルクECB専務理事が辞任し、市場ではECBの債券買い入れへの抗議と
受けとめられた。ドイツのギリシャ支援に対する難色も含め、欧州内でのソブリン問題へ
の足並みの乱れを印象付けた。海外市場ではギリシャのデフォルトのうわさも流れ、ユー
ロ売りが加速した。ユーロ/ドルは9日高値(1.3937ドル)からきょう朝方の
1.3550ドルまで387ポイント急落した。ユーロは対円でも104.90円まで売
られて10年ぶり安値を記録した。ユーロ/ドル下落の裏側でドル買いが進んだことでド
ル/円は77円半ばでしっかりの推移になった。
アジア市場ではユーロはいったん下げ渋ったが、午後に入って今度はユーロ/円が急
落。
「実需のユーロ売りが出た」(外資系銀行ディレクター)ことをきっかけにストップロス
を巻き込み、104.10円まで売り込まれて10年ぶり安値を更新した。ユーロ売り
はユーロ/ドルにも波及、1.35ドル付近のストップロスをつけて1.3494ドルと
7カ月ぶり安値をつけた。今回はユーロ/円主導だったため、ドル/円には円買いが波及
ドルは一時77円を割り込んで76.92円まで下落した。
<EU非公式財務相会合ではギリシャ債デフォルトなども協議との見方広がる>
ドイツからECBに送り込まれたシュタルク専務理事の辞任は、ECBの債券買い入れ
やギリシャ支援といった欧州中核国の負担によるソフトランディングに対するドイツの反
発の強さを印象付けた。ほかにもドイツからはレスラー副首相兼経済技術相が、ギリシャ
の秩序ある破綻をタブー視すべきではないと表明。シュピーゲル誌は、ドイツ財政省はギ
リシャが債務不履行(デフォルト)した場合の準備を進め、通貨ドラクマ再導入などを想
定した作業を進めていると報じた。
16日からのEU非公式財務相会合を控え、これまで基本的に救済の方向だったギリシ
ャ対応についても色合いが変わる可能性があるとの見方が広がっている。「会合では、ギ
リシャにとっていい話はでてこないのではないか。ユーロ離脱やデフォルトが議論される
可能性もありそうだ」(大手銀行)との声が出ている。
クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジスト、深谷幸司氏は、ギリシャのユーロ離
脱は現実的には不可能との見方で、離脱を決めた途端にギリシャの銀行から預金が流出す
るなど混乱が広がるとみている。しかし、どこかの段階でデフォルトはありうると予想し
ており、週末の会合では、デフォルトの可能性も議論されるのではないかと見込んでい
る。
深谷氏のEU非公式財務相会合についてのメーンシナリオは、9月のギリシャ向け第6
次融資や第2次ギリシャ支援に前向きの方向性を打ち出すことで「今週末にデフォルトの
方向が出るとはみていないが、ドイツを中心にギリシャ支援への反対圧力が強まっている
ことも事実。いずれデフォルトはありそうだ。その場合は、ユーロ/ドルで1.30ドル
トライ、ユーロ/円で102─103円はありうる」という。
<ドル指数<.DXY>が6カ月半ぶり安値、ユーロ売りの裏側で>
ドル指数は一時77.784まで上昇し、6カ月半ぶりの高値をつけた。ギリシャ問題
によるユーロの急落に加え、株価の下落がリスク回避のドル買いにつながり、ドル指数を
押し上げている。
欧米株安を引き継いで、きょうのアジア株も全般に軟調。しかし、現在のドルの強さは
ユーロの弱さの裏返しの面が強く、ドル/円でもドルが優勢になりがちという。「ドル/
円のけん引役はユーロ。ユーロ売りが強いと、ユーロ/ドルからのドル買いがドル/円に
波及しがちだ。ドルの下値が切り上がってきており、サポートは以前の76.50円付近
から77.10円付近に変わっている」(FX会社)との声が上がっている。
<個人はドル/円で押し目買いスタンス>
くりっく365によると、ユーロ/円の買いポジションは2日連続で拡大し、直近デー
タである9日は12万4028枚と「かなりの高水準になっている。ストップロスなども
あるだろうが、それを上回って買いが膨らんでいるようだ」(武田氏)という。
また、ユーロ/円には105円から下にオプションが多く観測されており、防戦買いが
予想されることもユーロ下げ渋りの一因になっている。ただ、ユーロ/円は下げ始めると
短時間で値幅が出ることが多く、いったん動き始めたら防戦買いを飲み込む可能性もある
という。
(ロイターニュース 松平陽子)
※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net
E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)
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