NY原油先物は50ドルを回復し、終値ベースでは昨年7月中旬以降、1年3ヶ月ぶりの高値を更新した。
ロシアのプーチン大統領がトルコ、イスタンブールで、OPEC(石油輸出国機構)が11月の総会で正式に減産合意することを望んでいるとしたほか、「増産凍結、減産」でOPECに協調する意向を示したことが原油価格の先高感に繋がっている。
OPECは9月28日、アルジェリアの首都アルジェで開催した臨時総会で、加盟14か国の原油生産量を日量3250万から3300万バレルに制限することで合意。
ロシア、メキシコなどOPEC非加盟国も12日にトルコのイスタンブールで会合を開き、生産調整について協議する予定となっている。
サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はイスタンブールで開催された世界エネルギー大会で、原油価格が1バレル60ドルを回復することが可能だとの見方を示した。
世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは生産制限に向け他の生産国と連携し、11月までに正式な合意にいたることが可能だと楽観視している。
ファリハ資源相は、数日中にロシアと会合を予定している。
OPEC総会は、オーストリアのウィーンで11月30日に開催が予定されている。
ファリハ資源相はサウジアラビアが2年前OPEC加盟国を生産制限撤廃に導いたことが原油市場のシフトにつながったが、「違うことをする時期が来た」と生産上限を復活させる方針を示した。
サウジアラビアなど原油生産国は生産制限撤廃以降、結果的に債務の拡大や経済的な圧力に苦しんでおり、再度、OPECは政策の転換を試みる。
原油先高感が今まで抑制されていた各国のインフレ期待、インフレ率の引き上げを助ける可能性がある。
米国連邦公開市場委員会(FOMC)が懸念していたインフレの低迷もついに解決し、利上げをさらに正当化させる可能性もでてくる。