日経平均<.N225> 日経平均先物3月限<0#2JNI:>
終値 10664.7 -192.83 終値 10660 -210
寄り付き 10745.52 寄り付き 10730
安値/高値 10639.78─10761.22 安値/高値 10630─10760
出来高(万株) 251930 出来高(単位) 105109
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[東京 22日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は7日ぶりに反落した。リビア
の政情不安を背景にリスク選好志向が後退し、21日の欧州株式市場が下落した流れを受
け、東京市場では売りが先行。主力株中心に幅広く売りが出て東証1部の8割超が下落し
たほか、先物への大口売りも見られた。米格付会社ムーディーズが日本国債の格付け見通
しを引き下げたが、株価への影響は限定的。後場には円高一服などを背景に買い戻しや押
し目買いが入りやや下げ渋った。
東証1部騰落数は値上がり171銘柄に対し値下がり1429銘柄、変わらずが70銘
柄。東証1部の売買代金は1兆7381億円。
リビアの政情不安によりエネルギー供給をめぐる懸念が高まり、リスク選好志向が後退
したことを背景に21日の欧州株式市場はFTSEユーロファースト300種指数
<.FTEU3>が1.32%安、DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>が1.81%安
となった。欧州株安の流れを受け、東京市場も売りが先行し、主力株を中心に幅広い銘柄
が下げた。
先物への大口売りも見られ、指数を押し下げた。市場では「リビアの政情不安による原
油高や円高を懸念して、先物に大口売りが出た。連騰で過熱感もあったため、適度な調整
だろう。現物市場ではカネ余りを背景とする海外勢の買いが継続している。調整一巡後は
リスクの高い新興国から先進国へのマネーフローが復活しそうだ」(大手証券エクイティ
部)との声が出ていた。
前場半ば以降は一段安となり日経平均は前日比200円超下落した。ムーディーズが日
本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことで、三菱UFJフ
ィナンシャル・グループ<8306.T>など大手銀行株は保有国債への影響が懸念され下げ幅を
広げたものの、相場全体への影響は限定的とみられている。
後場には為替が円高が一服し買い戻しや押し目買いの動きが出て日経平均はやや下げ渋
った。市場では「GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)の米株先物が
大幅安となっていることで、今晩の米株市場への警戒感が高まっている。ただ国内景気の
踊り場脱却機運があり、下値では押し目買いも入るため大きくは崩れない」(大手証券)
との見方が聞かれた。
リビアで最高指導者カダフィ大佐への抗議行動が拡大するなか、大佐の動向が市場の注
目を集めている。中東の衛星テレビ、アルジャジーラの報道によると、リビア軍の将校グ
ループは声明を発表し、カダフィ大佐退陣を求めている。一方、政府は22日午前、首相
官邸で「中東情勢に関する関係閣僚会議」を開催。緊迫する中東情勢を受け、菅直人首相
は情報収集と邦人保護、エネルギーを含む経済への影響などを把握し、必要があれば対応
するよう閣僚に指示した。
中東情勢の緊迫化に対し、市場では「中東情勢が安定化に向かえば、株価は再び堅調に
推移する」(日興コーディアル証券・国際市場分析部部長の河田剛氏)との強気の声があ
る一方、「(リビアの)カダフィ大佐の息子がどの程度まで武力行使を続けるかが見えず、
仮に国連や米国の軍事介入まで発展した場合は日本株も大きな影響を受けるだろう」(大
和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏)と慎重な見
方も聞かれた。
個別銘柄では原油高を背景にAOCホールディングス<5017.T>やJXホールディングス
<5020.T>など石油関連株の一角が堅調だった。ファミマクレジットとの経営統合を発表し
たポケットカード<8519.T>は一時ストップ高となった。
半面、アコム<8572.T>、プロミス<8574.T>、アイフル<8515.T>の消費者金融株は過払い
金返還リスク懸念の高まりから軒並み安となった。
(ロイターニュース 杉山容俊)