1309GMT 7日終盤
ユーロ/ドル
ドル/円
ユーロ/円
8日終値 前営業日終値
株 FT100 5712.70(‐49.36) 5762.06
クセトラDAX 6171.83(‐50.58) 6222.41
金 現物午後値決め 1148.00 1142.00
先物 現物利回り
3カ月物ユーロ(6月限) 99.265 (+0.000) 0.293(0.307)
独連邦債2年物 0.939(0.953)
独連邦債10年物(6月限) 123.37 (+0.26) 3.107(3.106)
独連邦債30年物 3.812(3.811)
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<為替> ギリシャの債務問題をめぐる懸念が再燃していることで、ユーロが対ドルで
年初来安値近辺まで下落。一方、中国による人民元切り上げに関する憶測から、円は上昇
した。ニューヨーク・タイムズ紙は8日、中国の為替政策変更の発表が非常に近いと報じ
た。
<株式> ロンドン株式市場は続落し、主要株価指数は6週間ぶりの大幅下落となった。
金属相場が軟調となったことから鉱山株に売りが出たほか、ギリシャの債務問題に対す
る懸念が強まるなか、銀行株が値を下げた。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は49.36ポイント(0.86%)下落し、3月
31日以来の安値となる5712.70で引けた。
鉱山株の下げが目立った。エクストラータ
ーシズ
ドル高や米原油在庫の増加を背景に原油先物相場
もさえず。BP
が0.3―0.8%安となった。
米週間新規失業保険申請件数が予想外に増加したことも市場心理が悪化する要因となっ
た。
ギリシャ国債と独連邦債の利回り格差が463ベーシスポイント(bp)に急拡大しユ
ーロ導入以来の最高水準となったほか、1年物ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・
スワップ(CDS)スプレッドが一時650bpに拡大し過去最高水準となるなど、ギリ
シャの借り入れコスト悪化が顕著となるなか、リスクに敏感な銀行株の売りが加速。バー
クレイズ
ル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)
(スタンチャート)銀行
一方、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)
のイベリア航空
イングランド銀行(英中央銀行)と欧州中央銀行(ECB)はこの日、予想通り政策金
利を据え置いた。英中銀は資産買い入れ規模も現行の2000億ポンドで維持した。
欧州株式市場は続落し、主要株価指数は1週間超ぶり安値で引けた。ギリシャ債務問題
をめぐる懸念が根強いほか、米新規失業保険申請件数の予想外の増加を受け、センチメン
トが悪化した。
投資家のリスク選好度を示す独DAX新VIX指数<.V1XI>は1カ月ぶりの水準に上昇
した。同指数が低いほど、リスク選好度が高いことを示す。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は10.17ポイント(0.93%)
安の1087.99。1日の下げ幅としては6週間ぶりの大きさとなったほか、終値ベー
スでは3月31日以来の安値となった。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は32.31ポイント(1.09%)安
の2942.31。
ウニクレディトのグローバル株式戦略主任ゲルハルト・シュワルツ氏は「相場は今週や
や過熱気味だった。今後数週間横ばいに推移しても驚きではない」と指摘した。
銀行株が売られるなか、ギリシャ銀行株<.FTATBNK>は6%安。ギリシャ・ナショナル銀
行
8.1%下落した。
他の欧州銀行株も売られ、クレディ・アグリコル
グローバル・エクイティーズのデイビッド・セブール氏は「欧州連合(EU)が合意に
達した国際通貨基金(IMF)が関与する形でのギリシャ支援策を受けて、ギリシャ問題
をめぐる状況は落ち着いていた。しかしギリシャは満足せず、他の解決策を模索している
ようで、問題は振り出しに戻る格好となり、投資家は神経を尖らしている」と述べた。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、ギリシャ国債の保証コストが
過去最高水準を更新した。
欧米指標はさえない内容となった。
米労働省が発表した4月3日終了週の新規失業保険週間申請件数は46万件と、前週か
ら予想外に増加した。
2月のユーロ圏小売売上高は予想以上に減少し、内需の弱さや景気回復のぜい弱性が浮
き彫りとなった。
欧州中央銀行(ECB)はこの日の理事会で、主要政策金利を過去最低の1%に据え置
くことを決めた。トリシェECB総裁は会見で、2010年にユーロ圏経済は不透明な状
況の中で適度なペースで拡大し、さまざまな要因により成長のパターンは一様ではないと
予想する。
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)も同日、政策金利を予想通り過去最低水準の
0.5%に据え置くとともに、資産買い入れプログラムの規模についても現行の2000
億ポンドに維持することを決めた。
<ユーロ圏債券> ギリシャ国債が大きく売られるなか長短金利が逆転した。短期的な
流動性危機への懸念が背景にある。
RIA(エディンバラ)のストラテジスト、ニック・スタメンコビッチ氏は「ギリシャ
のイールドカーブが逆転した。これはギリシャが流動性危機に瀕しているとの市場の見方
を示している。典型的な兆候だ」と述べた。
ギリシャ国債の保証コストは一時過去最高水準へ上昇し、10年物のギリシャ国債と独
連邦債の利回り格差も一時過去最高水準に拡大した。その後はトリシェ欧州中央銀行(E
CB)総裁がギリシャがデフォルトに陥る可能性は極めて小さいと発言したことを受けて
幾分縮小した。
ギリシャ国債10年物利回り
前出のスタメンコビッチ氏は、中期的にはギリシャ国債の投資妙味が比較的増していると
する一方、「市場が欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)を窮地に追い込むなかで、
短期的に一段と軟化する可能性がある」との見方を示した。
ギリシャをめぐる懸念に支援され、独連邦債先物6月限
123.48。一時2週間ぶりの高値となる123.60に上昇した。
ECBはこの日、主要政策金利を過去最低の1%に据え置くことを決めた。資金供給オ
ペの担保として引き続き低めの格付け債券を受け入れる一方、リスクの高い担保資産には
新たなリスク緩衝措置を取ることを明らかにした。
担保基準に関する一段の詳細について7月に発表する方針も示した。
[東京 9日 ロイター]