[パリ 29日 ロイター] - フランスの著名ファッションデザイナーで、プレタポルテ(高級既製服)の先駆けとして知られるピエール・カルダン氏が29日、死去した。98歳だった。
60年以上に及ぶキャリアの中で、その奔放なビジネスセンスを活かし、インテリアから車まであらゆる生活環境製品をデザイン。ファッション界で称賛や軽蔑を浴びた。近未来的な「バブルドレス」や幾何学デザインの「宇宙ルック」など斬新なスタイルは一世を風靡(ふうび)した。
1922年にイタリア北部ベネチア近郊で生まれた。フランス南東部で育ち、仕立屋で働きながら45年にパリへ移った。クリスチャン・ディオールの店などを経て50年に自身のブランドを設立。パリの百貨店プランタン向けに既製服コレクションを提供した。79年には中国にも進出。実業家としてパリの高級レストラン「マキシム」を経営した。
自身の師匠として仰ぐデザイナーのジャンポール・ゴルチエ氏は「ファッション界への扉を開いてくれたカルダンさん、私の夢を後押ししてくださりありがとう」とツイッターに投稿した。