[東京 3日 ロイター] - 女子ボクシングフェザー級の入江聖奈は3日、東京五輪の決勝でネストイ・ペテシオ(フィリピン)を5━0の判定で下し、金メダルを獲得した。2012年に女子ボクシングが五輪競技に採用されて以降、日本勢として初めての出場で優勝した。
入江は他のメダリストとそろって会見し、次の世界選手権で金メダルを取ることが次の目標とする一方、「自分の中で有終の美で終わりたいというのが強くあり、やはり大学いっぱいでボクシングを辞めるつもり」と語った。「ゲームが好きなので、ゲーム会社で就活(就職活動)したい」と話した。
試合はジャッジ5人全員が入江に軍配を上げた。「勝者、ブルー」と英語でアナウンスされると、入江はリング上で飛び上がって喜び、泣いた。対戦相手のペテシオは拍手で入江の勝利を祝福した。19年の世界選手権ではペテシオが同階級を制覇、入江は5位だった。
笑顔で表彰式を終えた入江はその直後、「何も覚えていなくて、気がづいたら着替えていた。何回もほっぺをつねったが、夢みたいで、今も夢の中な気がする」とコメント。「ちょっと実際に(世界一に)なってみると実感が湧かない。何回も金メダルを見たい。13年間を出せるように頑張った」と語った。
リング上で笑顔だった銀メダルのペテシオは表彰式で一転、感極まって泣いた。銅メダルはカリス・アーティングストール(英国)とイルマ・テスタ(イタリア)が取った。
入江は鳥取県米子市出身で、日体大の3年生。小学校時代に読んだ1970年代の漫画『がんばれ元気』でボクシングに興味を持ち、地元のジムに通った。中学生以下のジュニア大会を4連覇、2020年の東京五輪出場を目指すようになった。高校時代はインターハイを2連覇した
所属ジムの会長からは名字にちなんで「イリエワニ」と呼ばれている。イリエワニはインド南部からオーストラリア北部に生息するワニで、気性が荒いことで知られる。