［東京 ５日 ロイター］ - 東京五輪は５日、男子２０キロ競歩を行い、池田尚希が１時間２１分１４秒で銀メダル、山西利和が１時間２１分２８秒で銅メダルを獲得した。競歩では初の複数メダルとなった。優勝はマッシモ・スタノ（イタリア）で１時間２１分０５秒。
池田は「ラスト５キロに余裕を持たせることを考えて歩いていた」とレースを振り返り、「２位だったが、メダルを１つの目標にしてここまでやってきて、ここで達成できて嬉しい」と話した。さらに「山西さんが強くてずっと負け続けてきたが、ずっとそのスピードに対する対策を取り組んできたので今回、今までの成果が達成できた」と語った。
山西は「目標としていた金メダルを取れなかったので、これまでの取り組みや準備に足りない部分があった」とした上で、「（大会）延期の期間を含めここで金を取るためにやってきたので、個人としても競歩チームとしても金を取れなかったのは残念」と悔しさをにじませた。
池田は静岡県出身の２３歳。２０１９年の世界選手権で６位、５０００メートル競歩の日本記録を持つ。池田が陸上を始めたのは小学５年生。高校時代、長距離走のトレーニングとして競歩の大会に出場するようになり、大学１年で競歩に絞った。現在は旭化成に所属する。
山西は京都府出身の２５歳。京都大学工学部物理工学科に現役合格を果たし、卒業後は愛知製鋼に就職した。
陸上競技を始めたきっかけは、好成績を残した小学校のマラソン大会。競歩は高校に入学してから始めたが、約２年後の３年生時には世界ユース選手権で日本人として初めて同種目を制覇した。成績が伸びない時期もあったが、２０１９年のドーハ世界選手権で日本人初の金メダルを獲得した。自己記録は２０１９年３月に出した１時間１７分１５秒。座右の銘は「継続は力なり」。
競歩では、２０１６年リオデジャネイロ五輪の５０キロで荒井広宙が日本初の銅メダルを獲得している。