[マニラ 8日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ大統領(76)は8日、来年実施される大統領選挙の副大統領候補として与党PDPラバンから指名を受け、これを受諾した。
ドゥテルテ氏は、憲法で大統領2期目の立候補を禁じられている。伝統的には儀礼的な役割にとどまる副大統領への関心には、権力の座にとどまり国内外での訴訟を回避するためではないかとの批判が出ている。
これに対し、ドゥテルテ氏は自分の決意は愛国心に基づいていると主張。副大統領候補として出馬するのは「私がこれまで努めてきたことが継続してほしいからだ。私が指示を与えることにはならないかもしれないが、助けにはなる可能性がある」と演説した。
ドゥテルテ氏は長年の側近のボン・ゴー上院議員を後継者に指名したいと考えていたが、ゴー氏は党の大統領候補指名を辞退していた。
ゴー氏は「重要なのは変化を続けるためにドゥテルテ大統領と同じだけの重みのある人を見つけることだ」と訴えた。
8日には元警察署長のラクソン上院議員(73)が大統領選への立候補を最初に表明。副大統領にはソット上院議長が立候補した。2004年の大統領選で敗れたラクソン氏は、「私とソット上院議長は80年を超える誠実で献身的な公務の実績がある」と強調した。
22年大統領選の好ましい候補を尋ねた独立系の世論調査で、ラクソン氏はずっと下位に甘んじており、ドゥテルテ氏の娘のサラ氏が最も優勢との結果が続いている。
ドゥテルテ氏の後継でダバオ市長となったサラ氏は、別の政党に所属。ロイターに対して大統領の仕事には興味がないと語った数カ月後、大統領選への出馬に前向きな姿勢を示した。
サラ氏は先週、複数の政治家から大統領選に出馬するよう打診されたと明らかにしたものの、大統領選に出るとは明言しなかった。